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新しいIPOのトレンド「TOKYO PRO Market」とは何か

柔軟性とスピード感からいま注目を集める東証の第5の上場市場「TOKYO PRO Market」について説明します。

2020年は過去最多の上場数

みなさんは「TOKYO PRO Market」という市場をご存知でしょうか。東京証券取引所の第5の取引市場といわれており、2020年12月時点で現在は41社が上場、そのうち4分の1にあたる10社が2020年に上場し、今年は過去最多の上場数となりました。いま注目を集めるTOKYO PRO Marketについて説明します。

TOKYO PRO Marketとは

TOKYO PRO Marketとは「プロ投資家向け市場」と呼ばれています。「プロ投資家向け」というのは金融商品取引法という法律で定義される「特定投資家」、すなわち、金融機関をはじめとする投資の知識・経験・リスク管理能力を有するプロだけが投資できる市場です。したがって、TOKYO PRO Marketに上場されている株式はプロの投資家は購入できますが、一般の投資家は購入することができません。したがって、他の市場では一般投資家の保護のため設けられている上場審査基準や海自ルールなどが一部適用除外になっている等、TOKYO PRO Marketは他の市場に比べて柔軟性ある基準となっております。

TOKYO PRO Marketに上場するメリット・デメリット

TOKYO PRO Marketは柔軟性があると記載しましたが、これはTOKYO PRO Marketに上場するメリットといえます。具体的には、まず上場申請に際して「形式基準」と呼ばれる数値基準が一切ありません。例えば他の市場では時価総額が何億円以上、売上高や利益の金額が一定金額以上といった、会社の規模や株主の人数に関して規準があり、それに届かない会社はそもそも上場申請ができません。これに対し、TOKYO PRO Marketでは「実質基準」と呼ばれる上場企業にふさわしい健全性を定める基準を満たしている限り、企業規模の大小関係なく、また創業間もない会社であっても上場を目指すことが可能です。また、通常、最低2年が必要とされる監査法人による監査期間も1年で足りるとされています。

さらに、3か月ごとの四半期決算の開示や内部統制報告書の開示も任意とされているため、上場時や上場後の負担が軽減されています。一方で、最大のデメリットは「プロ投資家しか株式を購入できないこと」。その結果、上場時に増資して資金調達したり、既存株主が売出しによって保有株式を売却して創業者利益を獲得したりといった「上場時のファイナンス」が困難で、TOKYO PRO Market上場時にファイナンスをおこなった会社は過去に3社にとどまっています。

TOKYO PRO Marketに上場するためには

TOKYO PRO Marketは監査法人による監査期間が1年で済む等、他市場よりも短い期間で上場申請することが可能です。一方で、「実質基準」といった会社の健全性に関する審査基準は他の市場の会社と同様の内容が求められ、内部管理体制の構築等について、他市場と同様の準備が必要です。したがって、「柔軟性がある」とは言えますが決して「楽に上場できる」あるいは「審査基準が緩い」といったものではありません。上場を目指される企業は、当社も含めたIPOについて幅広い知識経験を有する専門家にできるだけ早い時期から相談されることをおすすめします。

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