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調達をコントロールする仕組みがロジスティクスの精度を上げる

1.ロジスティクスの計画は調達コントロールにあり
調達コントロールとは、顧客サービスレベル設定→在庫計画とコントロールと続くロジスティクスの取組で3番目にあたる取組です。顧客ごとにサービスが明確に設定され、それに対応する在庫レベルとコントロール方法が決まっていたとしても、肝心の商品の調達・仕入れのコントロールがうまくいかないと計画どおりロジスティクスは動きません。

計画としては絵が描けていても調達がうまくいかないと、最前線に食糧や武器弾薬が補給できず非情な結果に終わった日本軍のインパール作戦のようになってしまいます。計画を計画だけで終わらせないためにも、ロジスティクスを考えるときには調達・仕入れのためのコントロール方法について重視して考えるようにしましょう。

また調達コントロールの成否のジャッジとして、調達コストの最小化と在庫計画で設定した在庫量と納期を確実に守ることにあります。
とても大変なオペレーションです。

2.調達・仕入コントロールで検討する内容
▼調達・仕入コントロールで検討すべき4項目
調達・仕入のコントロールを行う上で検討する項目は3点あります。
まずは【1】サプライヤー(協力会社)とのサービスレベル設定、【2】サプライヤーの選定・集約化、【3】発注方法の合理化の3点です。

【1】サプライヤーとのサービスレベル設定は、顧客サービスレベル設定と同様に、自社サイドが顧客と見立てられた状態で、ルール設定をしておく必要があります。

納期対応、提供作業、対応頻度、受注締切時間などを明確にルール化することです。意外ですが納期対応に関しては明確にサービスポリシーが決められている場合は多くなく、サプライヤー任せになっているため、納期どおりに商品や原料が入荷しないといったことは少なくありません。その結果として在庫を多めに保有することになる場合もあります。

そうならないためにも、
・いつ発注すれば、いつ自社の物流拠点に入荷するのか、基本ルールと明確な納期回答
・商品はどの状態で納入されるのか(付加作業の内容明確化)
・週何回の発注・納品に対応するのか、分納・毎日納品の対応は可能か
・発注は当日何時までの発注受付で、出荷が可能なのか
などの項目を明確に決めておく必要があるでしょう。

余談ですが、日本の企業の企業間で結ぶ契約内容は、外資系企業のそれと比較して決め事の内容が少なく、非常に大切な上記の点がボヤっとしていることが少なくありません。相手に対して決め事を明確にしないことと、融通が利くことを混同している節もあります。計画どおりに物事を進めていくためには、決めなければならないことはしっかりと行うことで、よい仕事につながるとコンサルティングの経験上、強く感じています。

また上記のサービスレベル設定項目について、対応レベルの高低を評価する必要があります。前述の在庫計画とコントロールでもお伝えしましたが、サプライヤー評価フォーマットによる評価をする必要があります。なぜならサプライヤーの対応は在庫量に直結するからなのです。

【2】サプライヤーの選定・集約化にあたっては、取引先としてクリアしなければならないビジネス要件を決めておくとよいでしょう。
ビジネス要件とは、前述のサービスレベル設定の要件にあたります。例えば自社の要件を満たしていないが長年の付き合いがあるという企業があります。そのような企業には自社の選定基準を今一度確認してもらい、基準に合わせてもらうよう努力してもらうか、または集約の対象とする場合があります。

厳しいようですが、調達計画上のルールとはそのぐらい大切で、納品基準を満たしていない企業の商品はそのまま在庫量の増加につながるなど、納品時間を守れない企業であれば、物流センターオペレーションのタイムスケジュールに歪が出たりするため、連鎖的な影響が大きいのです。

また昨今ではBCP(有事の際の事業継続計画)に対応するための緊急体制も明確になっているかも重要になります。

【3】発注方法の合理化は、自社が効率的に発注を行える仕組みにサプライヤーが対応できるかということがポイントになります。
電話やファックスで発注するのか、または自社システムからの自動発注で発注を行うのか、さらにはサプライヤーのシステムとEDI(電子データ交換)で受発注を行うのか、お互いにとって合理的かつ効率的に受発注が行える仕組みづくりができるかなどです。

在庫の見える化や、販売状況の情報共有など、お互いの業務効率化を進められることによってコスト最適化と納期短縮に努められるためお互いにとってよい関係をつくれるためのオペレーションの合理化が必要です。