MENU
×

MENU

お問い合わせ マイページ

購買サイクルマーケティング その3

前回の続き)

◆ファッショントレンドを考える

さて、前述の顧客年代別年間購入サイクルに話を戻します。

10代のお客様は毎週毎週新しくないと店には行きませんから、年間48回くらいは商品回転率がないとだめだということです。10代を対象に商品を買ってもらおうとすれば、毎週商品を店頭に入れるような高回転の商売が必要です。ですから109ブランドのようにSPA型で毎週毎週商品を企画しそれを店に投入するという商売しか成り立たないのです。

20代のお客様は10代に比べると購買経験を重ねていますので、毎週商品を入れ替える必要はありません。しかし、その分、目が肥えていますので、きちんとした商品を取り揃えているかどうかを一瞬で見分けます。

今の20代の最大関心事の一つは、「写真」「山・海」、「料理」、「ゴルフデート」「ゴルフ合コン」です。

ゴルフに行く時に「イケてるファッション」でなければならないのです。
そうなりますと、通常はOL向けの通勤服を展開してもいいのですが、お昼時のOLがランチに出ながらウィンドーショッピングする時間帯や、帰宅時の夜7~8時ごろはゴルフ場に着ていってもおかしくないゴルフライクなファッション提案が購入させるポイントだと分かります。
店というのはそのようなタイミングをきちんと理解して、店を作ることが大切なのです。

また30代になりますと、一部は仕事でバリバリのアラサーか、結婚して子どもとの新生活をスタートさせているヤングママという2つの属性に分かれ始めます。店としてもそれぞれへの対応をしていかねばなりません。

以上のように、年代が上がるにしたがって、確かにお客様の購買サイクルは少なくなりますが、その年代層に見合ったサイクルで提案しなければお客様が購入することは決してないということです。


◆売れる店はサイクルを理解して、そのサイクルをまわしている

新宿駅のルミネの某セレクトショップは、そのビルの中でも常に1位か2位の売上を誇り、同社の中でもトップの売上を誇る店です。

この店はメンズもレディスも商品を取り扱っています。子供向けもありますし、メンズ、レディスともにビジネスからカジュアルまで対応した品揃えです。いわゆるすべてに対応する品揃えをしているセレクトショップの典型のような店です。

同店の入口は2箇所あります。
片方は男性が比較的よく通る入口。もう一方は女性がよく通ります。
私がよく通る側は男性が多い側なのですが、実によく店頭のウィンドーディスプレイが変わります。ほぼ2~3日に1回はそのウィンドーの中の陳列商品が変わります。

夏がそろそろ終わりに近づいたなと思うと、ウィンドーの中はコートを羽織ったディスプレイに変わります。しかし季節はまだ夏ですから、時にはコートを手に引っ掛けたりするディスプレイになっています。秋になると旅行の季節なので必ず横にはトランクや、ショルダーバッグをかけたディスプレイになっています。

冬になりコートがなくてはならない時になり始めると今年最新のトレンドコートを身にまとい、マフラーやさまざまなグッズをつけています。時々冬でも夏のような暑さになったりする日の朝は、ポロシャツにニットだったりするわけです。

おそらくファッションにそれほど興味のない人が見ても、ここのウィンドーディスプレイはとてもそそられるものであり、何かを買うときには覗いてみようというきっかけになっているはずです。

つまり商品が女性ではなく男性であっても、またその対象がすでにファッションには興味がなくなり始める40代男性であっても決してバカにしないことです。

今の40代男性でも、10代の頃はPOPEYE(マガジンハウス)などで育ち、20台は紺ブレやポロシャツの襟たてを生み出した人たちです。今はそうでもないかもしれませんが、基本的にはおしゃれに少しは興味があるのです。

ですからすでにオヤジ化しているからとバカにしないで、この層のおしゃれ心に火をつけるような商品を考えて、しっかりと提案すれば、先の店のように売上を上げることは可能だということです。

商品の購入サイクルというのはこのように、徐々に長くなっていくものですが、売り手側はそのサイクルのまま商品を提案しないこと。お客様の購入意欲モードは下がりますが、それに合わせすぎすると売上が落ちるのです。

購入サイクル、商品回転率、陳列・ディスプレイのタイミングを図ることこそが商売であり、それができない店は潰れていく店です。

不況になればなるほど企業は保守的になります。どうせやっても仕方ないといったなげやりな態度になっている店もよく見かけます。しかしこのような時だからこそ、すぐには効果がでないかもしれない店の店頭に気を配り、小さな店頭の変化をし続けるべきです。

小さな変化をし続ける企業だけがお客様を興奮させ、結果として儲かる企業になるのです。顧客年代別の購入サイクルのちがいから商売のあり方を考えてみました。皆様も一度、自社の店頭や商品回転率という基本中の基本に立ち返って、お客様に喜んでいただくための本質について見直していただきたいと思います。