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海外で起業する日本人

6月8日から10日は船井総合研究所の上海研修。
9日の午前中は、帝訊信息技術(上海)有限公司の門脇総経理と上海良星造想信息技術有限公司の竹内総経理にお話いただいた。
普段は講演をする側である船井総研のコンサルタントも、中国という土地で起業し、
成功されているお二人の話は目から鱗の内容ばかりだった。

門脇総経理の講演での、中国で成功するための3つのポイント、
[1]ネットとリアルの融合、[2]土着と迎合、[3]退路を断つ については、
すべて具体的な事例とともに説明いただき、まさに腹に落ちたという言葉がぴったりである。

竹内総経理からは、百度の解析を活用することによって、中国で今注目されている業種・業態が直ちに分かること、
中国でのSEO対策が非常に有効であることを学んだ。

講演の内容のすばらしさだけでなく、3時間の講演で一切手を抜かず、
ストーリー展開が完璧に組み立てられていること、船井総研のコンサルタント80名を圧倒するパワーなど、
講演に対する姿勢からも大いに学ぶ点があり、大変有意義なご講演をいただいたことに、まさに脱帽であった。

このように、今、海外で起業する日本人の方がたくさんいる。
弊社も仕事柄、中国だけでなく、韓国、台湾、フィリピン、ベトナム、インドネシア、タイ、マレーシアのそれぞれで、
起業されている方々に大変お世話になっている。

それぞれの方が海外で起業されたきっかけは様々であるが、立ち上げ後数年は大変な苦労をされている点は共通している。

海外で起業する場合は、日系の銀行から融資を受けることができないため、
自前で資本金を用意し、さらに無借金経営を続けていくしかない。
知名度がないため、顧客の方からアプローチしてくることはなく、一つ一つ実績を積み重ねて信頼を得ていくしかない。
日本にいては見えない、さらに日本企業の駐在員の方でさえも知らないような多数の苦労を乗り越えられてきている。

ものづくり・通訳・代理店・人材派遣・製造業の現場改善・WEB政策・不動産賃貸・会社設立支援など、海外で起業される方々の業態は様々である。
いずれの業態であっても、一定規模を超えると、顧客の構成が日系企業から、現地の外資系企業や現地資本の企業へと大きく幅が広がるようである。

実際、帝訊信息技術(上海)有限公司も近年、現地の自動車部品メーカーからの仕事が増えており、現地資本の企業からの問い合わせの増加が著しいとのこと。
日系企業向けに切り開いた現地でのビジネスは、現地の企業にも十分通用するということではないかと思う。

日系企業向けに立ち上げたビジネスは、現地資本の同業他社よりも圧倒的に細かく、丁寧な内容であることが多く、
それだけで付加価値が高い上、さらに、現地資本から見た場合は、日本でのノウハウに基づいた取り組みは、魅力である。

そして、もともと現地で立ち上げているため、現地での価格競争力がある。
その結果、こういった企業に現地資本企業の情報が集まる。

今、多くの日本企業は、日系企業とだけでなく、各国資本の企業とビジネスをしたいと思っている。
そこでこういった現地資本企業の情報をもった企業にさらに日本の企業からも仕事が集まるようになっているのである。

海外という全く異なる環境で、日本人一人で立ち上げ、退路を絶ち、現地の環境に土着し、迎合して成長してきた企業もまた、グレートカンパニーである。

こういった企業は、日本人の誇りであるとともに、こういった企業とのお付き合いから学ぶ点は大変多い。
今後こういった企業のプレゼンスは、ますます高まっていくことになるだろう。