■「日々の仕事が忙しくて、部下の育成までは手が回りません。」
「もう少し余裕があれば、部下指導に時間を費やせるのですが……」
と言う管理職と、よく出会います。
実際に、彼らはいつも一生懸命に忙しそうに働いています。
だからと言って、彼らに「余裕」を与えても、おそらく本当の部下育成はできないでしょう。
何故ならは、彼らには「部下育成」の必要がないからです。
■一人12時間かかる仕事であれば、自分で4時間残業すれば処理できる。
一人でも頑張れば達成できるような目標(タスク)設定しているから、
忙しくても頑張れば、別に部下育成をしなくても、何とかなっているのです。
限界だと口では言いながら、実態はまだ少し余裕があるのです。
極論を言えば、部下育成は「した方がいいこと」はわかっていても、
「絶対に必要」なことではないのです。
少し変わりつつありますが、まだまだ「長い時間働くこと」が美徳とされる文化にあります。
部下に仕事を任せてさっさと仕事を終わらせる管理職は時に批判の対象になります。
特に、中間管理職についてはその傾向は強くあります。
■一人25時間かかる仕事であれば、残業しても処理できない。
もし、絶対に現状の人員では実現できない業務目標(タスク)を設定すれば、
嫌でも、部下を戦力化しなければならなくなります。
部下育成は「した方がいいこと」でなく、「絶対に必要」なことになります。
成長をしている企業のトップを見るとよくわかります。
少人数の社員ではできない目標を設定するから、よりたくさんの社員を採用します。
優秀な人材が不可欠な目標を設定するから、より優秀な人材を採用して、育成をします。
忙しいから、部下育成に手が回らないのではなく、
部下育成をしなくても出来てしまう目標だから、部下育成まで手を回さないのです。
■ゴールを見直し、人材を育てる
現象面で見える「忙しさ」を解決しようとしますが、ほとんどの人は、
いくら時間の余裕ができても、必要性を感じないことには本気で取り組むことはありません。
本質は、そもそも部下戦力化が必要条件になっていない
ゴール(目標)設定そのものが原因かも知れません。
一度、視点を変えてゴール(目標)自体を見直してみてはいかがでしょうか。