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IPO準備を始めるタイミングについて
経営者の方はよく
「いま進めている新規事業が順調に伸びたら着手したい」
「業績が〇億円になったらIPO準備を始めたい」
「優秀な人が採用できてから始めたい」
などとお話しされます。本当にそのタイミングで良いのでしょうか。
IPOはあくまでも目標ではあっても目的ではありませんので、IPOによって得られるメリットや上場企業であるということを今後の企業経営に活かす、という視点も踏まえて、IPO準備を始めるタイミングをご検討いただく必要があります。
2020年に新規上場(IPO)した会社の事例
2020年に新規上場(IPO)した会社の、設立から上場までの期間は平均17年でした。ここで確認していただきたいのは、設立からすぐにIPO準備を進めるべき、ということではなく、上場会社がどのタイミングでIPO準備を本格的に始めたのか、という点になります。特に、設立から5年以内で新規上場(IPO)した会社を確認したところ、ある共通点がみつかりました。それは、管理部門の取締役、もしくは責任者が早いタイミング(概ねIPOの3年以上前に)就任、採用している点です。IPO準備を進めるにあたっては、業績を伸ばすだけではなく管理体制を整える必要がありますので、会社として経営体制を整えて、同時並行して進めていく必要があるためです。
参考)「新規上場6年若返り 00年比、設立から平均17年 IT企業がけん引」
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67439620X11C20A2DTA000
IPOに必要な業績の考え方(証券取引所の求める基準など)
経営者の方から「IPOに必要な業績は?」というご質問を良くいただきますが、東京証券、地方証券取引所ともに、売上が〇億円以上でないと上場できない、という基準はありません(一部、利益の基準を設けている市場はありますので、詳細はお問い合わせください)。また、証券取引所ごとに必要な時価総額というのはありますが、業種ごとの特性にあわせて、時価総額を満たすために必要な利益の水準は異なってきます。ここでは、10年後に売上〇億円、営業利益〇億円を目指したい、その為に5年後に売上〇億円、営業利益〇億円が必要であり、それぞれを達成するために必要なものは何か、その過程でIPOに必要な業績をクリアできるのか、という視点で考えていただくのが良いのでは、と考えております。
自社のIPO準備を始めるタイミングをいつにすべきか
10年後に売上〇億円、営業利益〇億円を目指すために、必要なものは何か?
・資金力が必要な場合、金融機関からの借入だけで十分か、IPOで資金を調達する必要があるか
・優秀な人材を採用する必要があるが、今のままで採用できるか、IPOして認知度、信頼度を高めて採用したほうが良いか
・BtoBビジネスの場合、特に大手企業との取引を行う場合、今のままでも営業上に問題ないか、上場することでBtoB営業に優位に働くのではないか
・BtoCビジネスの場合、一般顧客の視点で、上場会社のほうが安心して顧客はサービスを利用してくれるのではないか
など、中長期的な視点でその計画を実現するためにIPOして上場企業となるタイミングはいつがベストか、と逆算して考えていただきたいです。
そう考えると、おのずと今の業績がどうかではなく、今後の事業計画がどうなっているか、そのプロセスの中にIPO(新規上場)をいつにすべきか、という考えになるのではないかと思います。
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