MENU
×

MENU

お問い合わせ マイページ

アンケートの活用方法[マーケティング戦略・営業戦略]

突然ですが「アンケート」というとみなさまは何をご想像されるでしょうか。

HP の利用方法、携帯電話の使いやすさ、父の日のプレゼント、恋愛などなど、様々なアンケートが溢れ返っています。ちなみに Google で、「アンケート」と検索すると4,610万件、「社長」というキーワードとほぼ同数です。

こんなにも溢れ返っている「アンケート」なので実施した方も多いと思いますが、使ってみた感想はいかがでしょうか。

多くの方はうまく活用されていると思いますが、なかにはアンケートを取ってみたはいいが、結局いい結果は得られなかった、取るだけ取ってあとは何も使わずコストだけがかさんだという方もいらっしゃると思います。

私も何回かアンケートを実施したことがあるのですが、取ったはいいが分析の視点が定まらず結局いい調査ツールにはならなかったという経験があります。
では、アンケートをどうすれば活用できるのか。

本来の「調査」という目的とは少し違った形で、成功した事例を紹介いたします。

私が支援させていただいたビルメンテナンス企業様で用いたケースです。

ビルメンテナンス業自体は基本的に建物が増えていくにつれて業界全体が伸びていくのですが、支援先は地方にあり新規物件数はあまり増えず、そうなると既存顧客を深耕していく必要がありました。

そこで、その企業が取った施策が「環境対応アンケート」という形式で既存顧客であるマンションのオーナーや工場を保有している企業様にアンケートを実施することでした。

そうです、アンケートを「調査」目的ではなく「営業」目的として活用したのです。

まず、アンケート自体の目的を「環境」という社会的なキーワードにしたことにより、アンケート回答への抵抗感を減らしました。

そして、アンケート項目を設計する際に、現状の環境対応状況、環境に対する意識なども取り入れたのですが、自社に取ってただ一つのキー項目「興味のある環境業務」という項目に、古紙リサイクルやエコによるコスト削減、クリンリネスなど自社の商品をちりばめたのです。

各社のニーズを把握しながらも、ニーズ調査という色を出さないということから顧客は回答しやすく実際にアンケート回収率は約60%となりました。

次に営業ターゲットを絞る際に、ニーズは当然ですが、アンケートの返答の速さという視点で絞っていきました。速ければ速いほど、自社に好意を持っていただいていると捉え、ABC ランキングで整理しました。

あとは顧客への訪問をする際に、「先日のアンケート結果なのですが……」という形で顧客に対して訪問の目的を明確にし、アポを取り堂々と営業をする。

アンケートを速く返答している好意的なお客様であるし、アンケートからニーズも明確になっているので営業もしやすかったのです。

その結果、61企業から営業案件が136件得られました。実際にそこから仕事になった案件も10件程度獲得しています。

アンケートを定期的に行われていて、形骸化していることはございませんか。

少し発想を変えることで、他にも思わぬ活用方法が得られるかも知れません。
(この記事は2008年6月10日に初掲載されたものです。)