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グローバル人材の育成

あるドイツの大手自動車部品メーカーは、世界中に拠点を持ち、自動車部品や設備を世界中から調達しています。

例えば、スペインの工場は、ドイツから、中国の工場は日本から、メキシコの工場はアメリカからといった形で、地産地消を進めています。
そして、グローバルサプライヤーとして認定されたベンダーは、
この自動車部品メーカーの世界中の拠点に納入する機会を与えられます。

この自動車部品メーカーは、ドイツのヘッドクウォーターと各エリアのリージョナルヘッドクウォーターとで連携しながら調達を進めています。
例えば、アジアのリージョナルヘッドクウォーターは中国にあり、
中国にはアジア各国の拠点から優秀な人材があつまっています。

さらに、ドイツのヘッドクウォーターには、各リージョナルヘッドクウォーターから優秀な人材が集まっています。
つまり、ドイツのヘッドクウォーターで働いている調達スタッフはドイツ人ではなく各国の拠点から優秀な人材のみが選りすぐられた、多国籍スタッフということになります。

さて、この自動車部品メーカー、調達に際して、当然ながら為替が重要なポイントとなります。
円高になれば日本企業からの購入は高くつきます。
同じ日本企業から購入する場合でも、その企業が海外に拠点を保有していれば、
その日本企業の日本の拠点からではなく海外の拠点から購入すればコストダウンになります。

ドイツのヘッドクウォーターでは、こういった為替の動向も含めて世界中の調達が決定されています。
世界中から優秀な人材が集まっているからこそなせる業です。

これからの時代、わが国企業も、大企業・中小企業に限らず、
このドイツの自動車部品メーカーのようなグローバルな動きについていかなければなりません。
そのためには、わが国企業にとっても、グローバル人材の育成が大きなテーマとなっています。

かつてはグローバル人材といえば、英語を話し、貿易実務がわかり、海外企業とビジネスができる人材を指しましたが、
今、グローバル人材には、多様な文化を受け入れ、各国の取引先または従業員のモチベーションを向上させ、
かつ確実に数字で成果を残すことのできる能力、つまりグローバルなマネジメント能力が求められています。

かつて、わが国では、海外の人材をマネジメントすることが出来る人材は、海外駐在経験のある人材に限られていました。

しかし、近年は海外拠点の従業員を日本で育てようという動きが急速に進み、
多くの従業員が、海外からの従業員と接する機会が増えてきています。
そして、中小規模の企業にとっても、研修という形で海外からの人材を日本で雇用する機会が増えてきています。

このドイツの自動車部品メーカーのような動きに、
わが国の企業もついていき、世界各国の企業と競争していかなければならない時代となっています。
グローバル人材を意識して育成しようとする企業と、そうでない企業とでは、将来大きな差が開くことになるでしょう。

海外の人材との交流が身近になった今、グローバル人材の育成に力を注ぐチャンスであるといえます。