小売店舗経営には『情報』が命です。特に、中小の小売店舗(パパママストア)にとっては、情報収集が死活問題となってきます。大手フランチャイズチェーンに加盟している店舗であれば、情報は湯水のように沸いてきます。
・『A食品メーカー』のキャンペーンが始まります。
・『○○商品を期間限定で20%値下げします』 ‥
大手コンビニエンスストアチェーンの加盟店舗は、情報の多さに溺れてしまい、その情報の交通整理が主要な業務となっています。
ところが、中小の個人店舗の場合、全くと言うほど情報が入りません。
・世の中で売れている商品は?
・今月は何を販売して売上・利益を獲得するのか?
結果として、大手チェーンは販促キャンペーンが多いし、情報が多くて羨ましい・・・と不満が溜まってきているのが現状です。
しかし、情報が数多く寄せられても、それを活用できないと無用の長物となります。多くの場合、販促キャンペーンは売り手側の都合により決まっており、『このキャンペーンでA商品を売り込む』等のコンセプトで実施されています。
本来の、販売促進はお客様都合で行われなければなりません。
一例ですが、『ワールドカップ』という情報を考えてみましょう。
「ワールドカップが開幕し、試合を観戦したい気持ちを強く持っている。
しかし、TV放映時間は勤務中であったり、睡眠中であったりする。
当然、画質の良い映像を録画しておきたいニーズが高まるはず。」
と、仮説を立案することで、具体的な打ち手が見えてくるのです。この仮説ですと、『ビデオテープの高画質・長時間商品』『DVD-R、RWの高画質商品』にお客様のニーズが発生するはずです。
これらの商品を売り込む売場作成を行い、POP等でお客様に訴求をすると、当然のように販売が伸びてきます。
この商品以外にも、まだまだ仮説は広がります。
「友人と集まってTV観戦をする学生もいるだろう。人が多く集まるので、 飲み物(ジュース類、ビール)、お菓子(ポテトチップス類)を多く購入するはず。大人数が集まるので、
2?大容量のジュース:特に定番のコカコーラ、
オレンジジュース(なっちゃん)
6缶パック:オフィシャルスポンサーのキリン社製品のビール
が売れるであろう。」
という仮説が立案できる訳です。
情報を活かすも殺すも、経営者の手腕に掛かってきます。お客様の立場に立っ
て、お客様のニーズを刺激すると「金に変わります。」(あえて、悪く言ってみました)
『情報収集→仮説立案→実施』の流れ、重要性についてご説明させていただきました。実際に私がお手伝いしている店舗の中には、このような仮説立案能力を高め売上を改善している店舗があります。
その店舗は大手コンビニエンスストアチェーン加盟店ではありません。中小のボランタリーチェーンの加盟店です。情報は自分達で集めて頑張っていらっしゃいます。
(この記事は2008年4月23日に初掲載されたものです。)