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天の理の経営の考え方【1】~1000億企業を一代で築き上げられた根幹とは?~

本コラムでは、この10年間で出会ったびっくり経営者や技術者を紹介させていただいていますが、今回は、「スジャータ」のめいらくグループ代表の日比孝吉氏です。創業者・船井幸雄の紹介でお会いさせていただき、インタビューさせていただきました。創業者が繰り返し話をしていた「与えたものが受け取るもの」という教えを、めいらくの経営という観点で、お教えいただきました。本当の意味での先義後利の考え方の実践です。

日比代表は1928年静岡県生まれで、終戦焦土の中から行商・露天商でスタートし、丁稚奉公、行商、露天商を経て、1946年、個人商店として生クリームの製造販売を開始されます。51年、名古屋製酪株式会社設立。一代で1000億企業を設立されました。「最高の品質を最低の価格で」をモットーに、「スジャータ」、コーンポタージュ、きくのIFCコーヒーなど数々のヒット商品を生んで来られ、コーヒーはシェア30%を占めています。

今回のテーマである天の理の経営ですが、日比会長は人や企業は出したものしか入らないということをおっしゃいます。特に、無臭にんにくのサプリメント「アホエン」を無料配布されているのは有名です。血液をさらさらにする働き、アルツハイマーの進行の防止や脳卒中の抑制などの効果を発揮すると言われているサプリですが、1990年スタートで、30万人以上の会員様に届けられています。小売すると三百億円以上の市場価値があると言われていますので、莫大な投資です。

騙されたと思って、自分のことや自分の会社の利益を後回しにして、世のため、人のために、先に投資をすることができるかどうか?ここに大きな経営のヒントがあるように思えてなりません。

小冊子やレポート、商品プレゼントなどを先に送り、バックエンドの利益を狙ったマーケティング手法がありますが、これは、先義高利の表面的な活用と捉えることができるかもしれません。しかし、利益がプンプン臭う方法ではお客様に見破られます。一時的ではなく、継続的で持続可能にするには、やり方ではなく、あり方が大切であるのだと思います。

日比代表は、経営の心というものは、真っ赤な焼け火箸を素手で百回握るくらいの経験を経ないとなかなか分からないものとおっしゃいましたが、めいらくの歴史や日比代表の生き様を研究すると、どうしようもない逆境の時に乗り越えるヒントや指針が見えてきます。次回は、その一つをご紹介できればと思います。