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イオンモール岡山に見る新しい店のフォーマット

岡山の駅前、徒歩5分くらいのところ。
以前、林原の大きな施設や駐車場があったところです。同地を取得したイオングループが、西日本最大級のイオンモールを12月5日にオープンさせました。

今回の最大のポイントは、立地です。
これまでイオンモールが得意としてきた郊外ではなく、都市中心部の一等地に出店しました。建物は地下2階、地上8階建て。郊外の広大な土地に巨大モールを出店してきた形ではなく、都心の駅前に百貨店のような建物を建てての新しい形です。

モールの愛称として東京スカイツリータウンの「ソラマチ」ならぬ「ハレマチ」(岡山は「晴れの国」の異名を持つ)を掲げています。

「2013年にオープンしたイオンモール幕張新都心では『モノ消費とコト消費の融合』をテーマにしたが、岡山では文化や情報の発信基地を目指す」(イオンモールの岩本博専務)としています。東日本の旗艦店である幕張新都心は郊外型イオンモールの集大成であるのに対し、岡山は新たな店舗フォーマットへの第一歩となるのです。

1.大胆な吹き抜け
建物中心部に1階から4階までの吹き抜け空間があり、その周囲に店舗が並ぶサーキット型のモールです。
吹き抜けの1階部分は約200坪ほどあり、2,000人が集まれるパブリックスペース。壁面には300インチの巨大スクリーン。
吹き抜けは上層階へ上がるに従って広がり、4階部分は300坪ほどになります。
吹き抜けに面した部分にはベンチやソファなど1,100席を配置しています。
商業施設としては全国初となる常設のインターネットテレビスタジオ「ハレマチスタジオ」を設置し、ここから店内のイベント、店舗情報、エリアの情報を発信していくそうです。このような取り組みを初めて手がけているあたりにも、同社の新フォーマットへの心意気が見て取れます。

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2.イオンモールがグレードを上げてきた
これが今回のイオンモール岡山の特徴です。
高島屋の食品館がテナントとしてイオンモール岡山に出店しているのです。いわゆる百貨店の、デパ地下が、イオンモールのイオンの食品売り場のまん前にでています。
岡山には岡山タカシマヤがちゃんと出店しています。
百貨店はあるのですが、イオンモールの出店により少しでも売上に影響がでることを防ごうという狙いもあるでしょう。
はじめてイオンモールの中にお店をだして話題になっています。お客様もイオンとタカシマヤの両方を使い分けているようでした。

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ほかにはZARA HOMEもイオンモールに出店しているのです。もちろんH&Mやユニクロや東急ハンズなども出店しています。
イオンのGMS部門が「イオンスタイルストア」として出店しています。

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これがイオンスタイルストア。
夕方の時間帯ということもあったでしょうが、かなりたくさんのお客様が入店していました。
どうでしょうか。
今までの「イオン」ではありません。

雑貨が前面にでてきて、メンズ・レディスの洋服もシーン別に分類されている新しいお店です。イオン茶屋店でも見られた新たなGMSの平場の形。
これが岡山でもさらにレベルアップして登場していました。

都心型にここまでの百貨店のようなモールができたのは初めてでしょう。
ここまでのお店をモールとして作れるのであれば、お客様にとっては百貨店でもモールでも、そんなことどちらでもいい という感じになることでしょう。しかも高島屋の食品も入っているし、専門店は世界のSPAチェーンの最新店舗がはいっている。

さらに女子高生から大学生向けのレディス専門店や雑貨専門店なども含めて、十分以上に出店しています。ここまで揃えられたら、通常のお店では太刀打ちできないでしょう。

テナント数は356店舗。うち岡山県初出店が238店舗。
しかしそれ以上に特徴的なのは岡山県の地元企業が65店出店していることです。
クロスカンパニーやはるやま商事など、地元の小売業が多数出店し地元色をだしている点も特徴です。

都心型の商業施設のあり方を変えるモールです。
これからのモール開発は大きく変わっていくことになるでしょう。
これからのモール、商業施設、駅ビルは、さらに革新的な取り組みをしていかないといけない時代になりました。

単なる規模の大きさではなく、いかに独自性をだしていくか。
その立地に見合った独自性の開発こそが生き残りの条件となるのです。