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クラウドファンディングは日本で流行するのか~クラウドファンディングの未来について考える

クラウドファンディング市場が盛り上がりを見せつつあります。

クラウドファンディングについては既に色々なメディア、シンクタンク、個人投資家の間で話題に上っており、日本国内での今後の動向に注目が集まっています。

もちろんポジティブな見方を示す方もいれば、ネガティブなイメージを持つ方もいます。私はというと、“ネガティブな見方”=“クラウドファンディングは日本では流行らないだろう”という意見に賛同する立場です。

まず現状を見てみましょう。国内のクラウドファンディング市場は、緩やかではありますが、成長を続けています。国内で活動していることを確認できるクラウドファンディング型のプラットフォームは80弱に達していますし、今後もどんどん増えていく傾向が見えます。

主流クラウドファンディング事業者8社の2013年度の調達金額の合計は2013年9月時点で約5億円程度です。(CAMPFIRE、READYFOR、kibidango、shootingstarなど。)

おおよそ、調達金額の20%を手数料として事業者側が受け取る仕組みなので、ざっと計算しても主要8社の売上額は1億円程度です。また、このうち約4%はpaypalなどのシステム使用料に消えていきますので、実質的には9,000万程度。これは8社で単純に按分すると1社あたり売上高は1000万ちょっとになります。

1事業として展開していくにはまだ可能性を残しているともいえなくはありませんが、これを1企業として展開していくには、現状のままだと厳しいものがあります。(にもかかわらず、積極的に投資をするVCも見られますが。)

そんなクラウドファンディング市場ですが、今はライフサイクルで言うところの「導入期」にあたります。まずは徹底的に認知をしていくことが必要です。この導入期で “マジョリティ層”にまで、その存在と価値を広めていくことができれば、状況は好転していくことでしょう。

そうなれば、ライフサイクルは次のステージに進みます。次のステージとは「色々なクラウドファンディング事業者がいる中で、自社が選ばれるための差別化をしなければならない」ステージです。

少しずつ差別化は始まっていますが、(あくまでも消費者目線で見れば)まだまだ似たり寄ったりのものばかりで、明確な差別化がない状態です。

さて、そんなクラウドファンディング市場が流行らないと思う理由を挙げていきたいと思います。

【1】イノベーターとの相性があんまり良くない
クラウドファンディングというプラットフォームを利用する客層は、「プロジェクト立案者側」もイノベーターですし、「出資する側」もイノベーターであることがほとんどです。そもそもイノベーターと呼ばれるような方々は、他のプラットフォームを利用せずに全て自分でやる仕組みを構築してしまいます。イノベーターが好きこのんで他人のプロジェクトに出資するようには思えません。あくまでも簡単に言うと、このような理由からイノベーターとの相性が良くないと思うのです。

【2】マジョリティ層の持つ思想や文化との相性があんまり良くない
これは日本特有の問題ともいえます。よく米国市場を引き合いに出す方がいますが、米国市場とはクラウドファンディングに限らず、ほとんどの場合で比較できません。そもそもの文化・思想・風習・バックグラウンドが異なるからです。日本国内のマジョリティ層は「金融リテラシー」が著しく低い状態にあります。つまり、“投資”という価値観がないのです。100円預ければ1年後に1000円になって返ってくるよりも、100円出せば100円分の価値ある商品が手に入る方がうれしいのです。これは、バブル崩壊なども相乗して日本に染み付いた悪しき価値観とも言えそうです。銀行神話がまだまだ続いているのです。

日本でまだ流行る兆しがあるのは、米国のkickstarterのように、投資額分の現物をお礼として送りつけるモデルです。それ以外の“寄付型”や“投資型”のモデルは難しいように思えます。今年から大手証券会社が、そのような金融リテラシーの低いマジョリティ層開拓を狙った低額金融商品NISAをリリースしていますが、これのヒット具合によってクラウドファンディングの今後も類推することはできそうです。

今、クラウドファンディング事業者は、大手企業とのアライアンスや著名人とのアライアンスを進めています。話題性を創出して一気に認知を広めていこうということです。

著名人とのアライアンス(著名人によるプロジェクト立案)は、その対象客層が著名人のファンに限定されてしまうため、大きな発展は見込めそうにありませんが、大手企業とのアライアンスは少し可能性があります。

企業側からすれば、資金調達もできますし、なにより話題性のあるプロジェクトが企画できれば、無料でプロモーションができるからです。

ただしデメリットもあります。大衆層に「お金ならたくさん持ってるはずなのに何で投資を募っているの?」と思われるリスクと、「調達を失敗したとき」のリスクです。

まだまだ小さい市場ですが、もしかしたら好転するかもしれません。その行方は正直誰にもわかりません。今後もクラウドファンディング市場の動向を注視していきたいと思います。