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業界の枠を超えた連携プレーで解決できること

生鮮食品業界では苦戦を強いられることが多いですが、その中でも事業規模を拡大している企業もあります。
現場支援を実施していると、増税や円安基調におけるコスト上昇により、利益がとり難くなるといった、なかなか厳しいという声が多く聞かれます。

従来のビジネスモデルが思うように通用しなくなりつつあり、売上高も営業利益も前年や以前と同様の施策を講じているだけでは、苦戦することは目に見えています。
そのような中、この厳しい環境を「変化」するひとつのきっかけとして捉えて、従来とは違った形で販路開拓に成功しているのです。

先日、以前からお付き合いのある業務用卸売業の方に、別の企業で取り組んでいる規格外鮮魚の委託販売をお願いしに伺った際に聞いた話です。その企業様は、首都圏を中心に約数千件の中小の飲食店に対して業務用食材を提供している精肉や食品加工品をメインに取り扱っている場外卸売業者様です。その場外卸売業者に対して、築地の荷受が顧客と物流機能の共有化を図り、シナジー効果を狙わないかという提案をしています。

異業種の卸売業者様に、水産卸売業者の商品を提供し、従来水産卸売業者がアプローチ出来ていない事業規模の小さな企業様への商品出荷(販売委託)を実施しないかとタイアップを提案しているのです。

その企業の主要商材である食肉商材の取扱いだけでは、販売先への新しい提案がマンネリ化していた点も現場の課題のひとつでもありました。既存の顧客の要望に応える形で数年前から、青果物については生産者から商品を供給する際、生産者から5%の売上高歩合を頂き、自社の販売先に商品を提供しています。

従来通りの仕事のやり方では売上高と利益の確保がますます難しくなって来ている中で、今までのやり方とは違った形でビジネスを考えようという動きが出てくると、業界全体としては活性化してききます。その動きをさらに活性化していくことは必要なことです。

これに限らず、最近の成功事例を見ていると、他社や異業種との連携、コラボレーションといった形のビジネスが上手くいっているケースが多々みられます。
卸売業であれば、自社の取引先の商材を一つのコンセプトでまとめたプライベートブランドの構築にもどんどん取り組む必要があると思いますし、水産業だけで難しいのであれば、外食企業への商品デリバリーに特化したドライ食品の卸売業とのコラボレーションというのも、今まで以上に積極的に取り組むと、間違いなく取扱高はアップします。

取扱高がアップすると、確実に粗利高は確保できる訳ですし、会社の売り上げ構成比、人員配置、収益モデルも変わってきます。自社のみで目の前の業務を解決することが難しいのであれば、上手に他社と連携する発想で新しいビジネスモデルを作ることができれば、明るい将来が見えてきます。