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社員の心底からのやる気を引き出す経営

西暦2000年以降、国内は低成長時代です。GDPが30年横バイなのは先進国では日本だけです。

そんな西暦2000年以降でも、(上図のように)A社とB社の2社が存在しています。

A社:社員数50~100名超えから横バイ、停滞している。
B社:社員数50名、100名、300名とどんどん伸び続けている。

A社とB社の違い何か?
多くの事例を調査、探求してきました(当然、現在も継続です)。
今回は、衰退していた伝統産業を若者が憧れる業界、企業に引き上げた、株式会社能作様(富山県高岡市)の成長ポイントを整理させていただきます。

創業107年企業。衰退している伝統産業ながら、20年間で売上14倍、社員数10名から166名、営業利益7%に成長

能作様は、富山県高岡市で400年という伝統がある鋳物産業の中で経営されてきた創業107年企業です。
問屋から要望を受けた仏具や茶道具などの金属加工品を製造されてきました。
21年前、わずか1.3億円、社員10名の下請けだった企業が、現在は、売上14倍(18億円)、社員数166名に成長されました(直近2023年見込みは売上20億円、営業利益10%)。

「しない経営」経営方針で事業拡大

能作様は、驚くことに「しない」経営方針を掲げていらっしゃいます。

① 「儲け」を優先しない
売上計画や利益計画の達成ノルマを社員に課しません。
その理由は、「儲け」を優先してしまうと、”数字”という無機質な物差しの「目標」達成に向けた仕事をするようになり、自分たち本位の行動を始めてしまう、という考えからです。
最優先にしていることは、「目の前のお客様の期待に応えること」「社員がやりがいを持って楽しく仕事をすること」、「地元に支持される、愛される企業になること」です。
これらは、数字達成という『目標』ではなく、自社の存在理由、なぜこの事業をやるか、ということから由来する『目的』です。
何のために自社があるのか、何のために社員は働くのか、という『目的』を徹底的に意識し、浸透、最優先させる経営をされています。

② 社員教育をしない
自社の「目的」の一つに”仕事を楽しむこと”を掲げていらっしゃっています。
そのために大事にしていることは、”気づく”こと”、自分に限界を設けずに”自律的”に動くことも大事にされています。
下手に上から教えるよりも、そうすることとの方が、仕事をおもしろがり、人が育つ、と考えています。
また、やってはいけないことは“何もしないこと”、“現状維持に甘んじること”、“失敗を恐れて挑戦しないこと”です。
これらの思考・行動習慣づけ、つまり社内カルチャーを醸成することを重要視されています。

③ 営業活動をしない
“営業しない”といけいない状態ではなく、“営業される”状況をつくることを追求されています。
お客様の声、評価をダイレクトに聞きたい、それを経営に活かしたい、という思いから、2002年に社長就任の数年前から自社製品開発をスタートさせて、様々な製品を誕生させてこられました。
その中で培われてきたスタンスが、「実際に現場、お客様と接して聞けた意見を大事にすること」「その声をもとに新しいチャレンジをすること」そして「できないと言わない」です。
そうした中、いろいろな失敗、試行錯誤を繰り返しながら、様々なヒット作品が生まれ、こちらから営業しなくても声がかかる”営業される”状態を作られてこられました。

④ 同業他社と戦わない
最優先の「目的」にしていることに一つに「地元の伝統産業に携わる全ての人たちとの共存共栄」があります。
諸々の新しいチャレンジには、「鋳物産業を地域の人たちの誇りにしたい」という内から湧き上がる想い(目的)があります。
自社の成長と引き換えに伝統産業を駆逐していくような、自分だけがよければよい、という事業展開であってはならない、という考えから戦わない方針を掲げられています。

「しない経営」の本質は社員が楽(らく)をすることではない

こうした「しない」経営は、一見すると、社員には楽(らく)な環境に見えるかもしれませんが、大事にしていることは「(自分、自社都合で)できないと言わない」ことです。

自社の産業・事業に誇りを持ち、自身に限界を設けずに絶えずチャレンジする、 そうしたカルチャーを醸成させることを重視し続けてこられました。

人には、誰しも2つの動機があると言われます、「内発的動機」と「外発的動機」です。

他者、誰かと比べても上か、下か、順位が1位か、2位か、どう他社と差別化するか、自分の給料、役職が他よりも上か、下か・・・云々の、外側との相対比較に基づき湧くモチベーションが「外発的動機」です。

その一方で、自身の内になる”善なる心”に従い、心からやりたい、やった方がいいと思ったことを行動に移す。外側との状況とは一線を引き、そことは関係なく、自分たちに変な限界を設けない、内側から湧き起こるモチベーションが「内発的動機」です。

「しない」経営を別の表現をすると、1人1人の「内発的動機」を重視した経営マネジメントになります。

数字、期限に基づいた物差しである「目標」以上に、何のために仕事をするのか、事業を通して何をしたいのか、という「目的」を上位に置き続けて展開する経営です。

そうは言っても現実は甘くない、と思われる方も多いと思います。

確かに、売上、利益を出し続けないと企業は存続しません。また、競争に勝たないと生き残れません。

そうした現実の中だからこそ、成果を出し続ける企業であるため、低成長時代でも持続的成長を続けるために何が大切かの本質的なことを学ばせていただける企業です。

一つ強く言えることは、西暦2000年以降の低成長時代でも、驚くほどの成長を遂げて、社員数100名、300名と超えて社員という同志が集まり続ける企業には、内発的動機を重視した企業経営を取り入られていることが共通しています。

能作様をゲスト講師様でお招きしたセミナーがございます。

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/098845
低成長時代でも企業が持続的成長するために何が必要なのかをお伝えするセミナーです。

このような方におススメのセミナーです。
• 社員数300名超えの成長企業を目指したい方
• 社員に夢を与える成長ビジョン策定をしたい方
• 社員数100名前後から停滞感を感じている方
• 自走する、自律型の社員をもっと増やしたい方
• 経営幹部が育たない課題をお持ちの方

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