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提案営業を具体的に実践するための4つのPhase(4)[マーケティング戦略・営業戦略]

前回は、営業活動実践フェーズである「Phase2:攻略シナリオ立案」と「Phase3:提案活動」の取組ポイントについて、説明させていただきました。

「攻略シナリオ立案」では、営業活動の前準備として、事前に顧客ニーズについての仮説を構築した上で、それに集中した情報収集をすることで、効率的・効果的な顧客ニーズの把握が可能となることをお伝えいたしました。

また、「提案活動」の取組ポイントでは、情報収集(ニーズ把握)は顧客の問題解決に必要な情報を収集することであり、そのためには担当者だけでなく、商品・サービス使用者や経営者といった関連するできるだけ多くのメンバーとのコミュニケーションを通じて、顧客を徹底的に知り尽くすことが重要である、ことをお伝えしたかと思います。

今回は、「Phase3:提案活動」の中の【ソリューション提案のポイント】と【ソリューション提案に必要なスキル】について、お伝えしたいと思います。

【ソリューション提案のポイント】

「ソリューション提案」とは、「顧客の問題点を整理し、具体的な効果を含めた解決策を検討し、顧客に価値のあるソリューションを提供すること」と定義づけることができます。例えば、コスト削減を意識している企業に対して、コストダウンが図れる商品やサービスを提案するといった、顧客が抱えている問題を解決するための方法を提案することになります。

ソリューション提案により、顧客に価値を提供することで、過度な価格競争の緩和が実現でき、顧客との強い信頼関係を構築することが可能となるのです。

具体的な取組についてですが、まず、収集した情報からどのようなソリューションを提案すれば、顧客にとってメリットがあるかを自社の商品・サービスをベースに検討します。

企業の全ての人にとってメリットがあるような提案をできるのがベストですが、必ずしもそれを実現することは難しいため、ある特定の人にとってメリットがあるかを検討し、各企業の状況から判断して優先順位をつけるようにすることが効果的かと思います。

【ソリューション提案に必要なスキル】

ソリューション提案の内容については、ある程度ご理解いただいたかと思いますが、実際に顧客との営業対応の場面でソリューション提案を実践するためには、いくつかのスキルが必要になります。

ソリューション提案の内容は理解できたけれども、実行できないというのでは意味がありませんので、ここでは、問題解決提案に必要な4つのスキルを提示した上でそれぞれの内容を説明していきたいと思います。

 (1)ヒアリングスキル
 (2)商品知識
 (3)コンサルティングスキル
 (4)プレゼンテーションスキル

まず、「(1)ヒアリングスキル」というのは、顧客のニーズを引き出す力のことです。ニーズを引き出すには、「誰から聴くか」という『聴く相手を選ぶスキル』と、「どのようにして聴くか」という『聴き方のスキル』に分けて、考える必要があります。

『聴く相手を選ぶスキル』とは、例えば、購買担当はもちろん、商品・サービスの使用者や、場合によっては経営者や経営幹部から話を聞くというように、どのような人に話を聴けば、ニーズを把握することができるかということを考えながら、顧客とコミュニケーションを図るスキルになります。

一方、『聴き方のスキル』というのは、何について聴けばよいのか、どのような聴き方をすれば、ニーズや課題を聴き出せるかということを考えながら、顧客とコミュニケーションを図るスキルになります。

次の「(2)商品知識」というのは、自社はもちろん、競合の商品やサービスについても熟知していることが要求されます。

顧客のニーズに合った提案をするためには、自社の商品やサービスについて、競合とどこがどのように違うのか、強み・弱みは何かを明確に理解していなければなりません。豊富な商品知識をベースにしたプレゼンテーションにより、説得力を高めることができるのです。

3番目の「(3)コンサルティングスキル」というのは、顧客に価値のあるソリューションを提案するスキルです。これは、顧客が抱えている顕在的なニーズや課題に対して、ソリューション提案する場合と、潜在的なニーズや課題に対してソリューション提案する場合があります。

潜在的なニーズや課題に対してソリューション提案するというのは難しいように聞こえますが、「こういう場合には、こういう提案がいいだろう」というように考え、顧客にソリューションを提示することなので、比較的通常の活動の中で実践している可能性が高いと思われます。

顧客の状況を見て、余計な事務作業を軽減させるために、共同営業による提案を行うといったことも、潜在的なニーズに対応した提案といえるでしょう。

最後の「(4)プレゼンテーションスキル」というのは、顧客にとっての価値が明確に分かるように提案内容を説明するスキルです。

メリットを明確に伝えるためには、あれこれ手当たり次第に話をするのではなく、ストーリーづくりを行った上で、分かりやすく話をする必要があります。そのためにカタログだけではなくて、自分が説明しやすく、相手にとっても分かりやすい資料を作成して持参することが効果的です。

以上が、ソリューション提案の実践のために必要なスキルですが、それぞれのスキルを確認した上で強化すべきスキルを特定し、習得することで営業レベルを高めて、効果的なソリューション提案の実践につなげていただければと思います。
(この記事は2008年6月28日に初掲載されたものです。)