BtoB企業で売上を伸ばしている企業がどんな事をして来たかを振り返ってみたいと思います。
■法人営業会社で売上が伸びている企業の共通項
1.基本的な商品力があり、お客様に必要とされている
2.その商品が、価格・名前・仕様など見える化、パッケージ化されている
3.その商品の価値を一言で言い表すタグライン(お客様を引きよせる一行)がある
4.DMによるプル型の反響体制がある
5.マーケティングサイトと呼ぶ集客サイトがある
6.ニュースリリースによるマスコミに紹介されるPR活動を実施している
7.営業マンのスキルアップと躾・マナーを徹底している
8.表彰制度などモチベーションアップ施策を講じている
9.ニュースレターによる顧客との定期的な接点づくり
10.メルマガ、ブログ、ツイッターによる積極的な情報発信
上記の10点は最低限やっていることです。
何のためにこんな事をやるかというと、法人営業の場合、企業対企業の取引なので、営業マンの個人力量だけでなく、会社の信用度が取引の決済に大きく影響してくるのです。この信用づくりは会社の仕事であり、営業マンの活動を補完するものです。
それには、企業として正しい理念があることが大前提になります。法人営業は決まると額が大きいですし、会社の看板で長く商売して行かなければなりませんので、経営者としてはこの信用づくりに、すべてを掛けて取り組む必要があります。「信用創造」が法人営業の場合、まさに肝です。
■具体的に取り組んでいること
1.手紙を本気で書く
最も即効性のある営業方法は手紙を書くことです。通信手段や交通手段が無かった大昔は、手紙を上手に書ける男性が女性にもてたと聞きますが、時代が変っても自分の考えや相手の考えを文章にする技術というのは、生きて行く上でとても重要なスキルだと感じます。
礼状、季節の挨拶、セールレターなど形態は様々ですが、自分のこと、会社のこと、商品のこと、相手の役に立てることなどを手紙に認めるのです。
法人営業に場合、この手紙やセールスレターがとても効果を発揮します。ユニクロの柳井社長は、チラシはラブレターだと仰っていますが、まさにその通りですね。共感できます。
ユニクロのようなマスマーケティングのビジネスですと中々個別対応は難しいんでしょうけど、特定多数のチラシよりも特定された人に出す手紙やセールスレターは何十倍も効果あります。
セールスレターのポイントは、テクニックはともかく、本気で書いてみる事です。印刷されたDMやカタログよりも、手書きの手紙やワードベタ打ちのレターが、お客様の心に突き刺さる事があるのです。
法人営業のBtoB(企業-企業)でも通販や店舗のBtoC(企業-個人)でも手紙は本当に有効です。
船井幸雄は1日に出会う人が20人までなら全員に手紙を書きなさい。そうすると人生が変るよと言っています。相手の事を考えて、自分達の商品にかける思いを綴ってみてください。きっといい反応がありますよ。
2.日経新聞に紹介される
PRのコツはすごく簡単で、日経新聞にニュースリリースを持ち込む事です。私の支援先では必須でやっていますし、セミナーや勉強会でも繰り返し伝えているノウハウです。理由は下記の通りです。
・日経新聞はベンチャーや中小企業のビジネスネタを取り上げる使命がある
・情報量が半端なく多いので、常に情報を欲している
・結果としてニュースリリースが届きやすい
・395万部の発行部数がある
・BtoBでもBtoCでも影響力がある
・業界紙とは違い媒体としての格、メジャー感がある
・日経MJ、日経産業、日経ビジネス、テレビ東京など
グループ会社に伝播する可能性あり(現に私の支援先では良くある)
・日経グループ以外の媒体からの伝播も期待できる
・ビジネスマンの日経シェアは高いので、思わぬところから引き合いがある
・初めて紹介される場合は、会社、商品の権威化、認知度アップにつながる
・「うちの商品は日経新聞でも紹介されている話題性のある商品なんです!」と、
営業マンの商談トークに使える
・日経新聞に取り上げられる程の企業だという評価を得られ、相手が信頼してくれる
・ホームページ、DMなどに使える(許可必要)
などなどです。
日経新聞の媒体事情を考えてニュースリリースを企画すれば、どの会社でも紹介して貰えます。営業の武器として活用してみては如何でしょうか?
3.営業マンの突破力を鍛える(マーケティングのアンカーは営業マン)
先日はクライアントさんと営業代行会社さんの説明を受けましたが、難しい状況を突破するような営業はやらないんですね。突破力でこじ開ける営業が必要な場合も多いのですが、そういうソリューションはなかなか無いようです。やはり、こういうコアの部分を外注するのは難しいということですね。
そこで考えてみました。そもそも営業マンの役割とはなんでしょうか?
プル型だの仕組み営業だのと言われており、私もコンサルティングの現場では、プル型や仕組み営業の体制づくりを重視していますが、仕事というのは、なんだかんだ言っても最後は営業マンが落とすものです。
広告やPRは、営業マンにつなぐための前走とも言えます。みんながすごく欲しくて、勝手にどんどん売れて行く商品であれば、営業マンは要らないし、広告やPRも要りません。
マーケティングの究極の目標は営業を不要にする事ですが、それはものすごく強い商品がある事が前提です。世の中の大抵の商品は、プル型や仕組みでお膳立てをしたとしても、やはり最後は営業マンの熱意や情熱、「お前が気に入った」とか、「君に任せる!」といった営業マンの人間性と商品(ソリューション)をセットに、購買を決する事が多いように思います。
そうなると、どんなに営業のアプローチが科学的になっても、最後は営業マンに掛かっていると言えるのでは無いでしょうか。そういう意味では、営業マンはマーケティングのアンカーとも言えます。
ところで、営業には、アプローチとクロージングの二つのフェーズが大きく言うとあります。そのうち、私はアプローチが重要だと思っています。クロージングは商品がある程度しっかりしていて、決めたい気持ちがあれば大抵決まるものです。
ところが、アプローチは難しい。どこに案件があって、どうすれば見込み客に会えて、どんなものが商品になるかを考えないといけない。営業マンの嗅覚ともいえるスキルです。
船井総研はコンサルティング会社ですので、営業のアプローチ策をあれこれクリエイトすることはあまりありません。あまり積極的に営業をすると、肝心のコンサルティングがうまく行かないからです。しかし、広告代理店時代の私は、あらゆる手段を使って仕事を取っていました。
食事、飲み会、ゴルフ、コンサート、イベント立会い、早朝訪問、毎日訪問、同行出張、自主プレゼン、自前調査、顧客紹介、タレント紹介などなど、いかにクライアントのキーマンに近づいて、仲良くなって、いい関係を作るかが勝負でした。
まず、いい関係を作ってから商談に入るのが基本でした。やはり、自分が好きな相手、気に入った相手からの提案は、聞きやすいものです。逆に、知らない相手、まだ解らない相手、嫌いな相手からの提案は受け入れられないものです。(これはいまのプル型も仕組み営業もツイッターもブログも同じです。)
そういう無理の効く相手をどれくらい持っているか?そして、無理な状況を打開する勇気と覚悟が営業マンには必要です。つまり、難しい状況、普通無理な状況を突破するのが営業マンの役割であり、存在感なのです。
以上です。
法人営業のBtoB企業の場合、ブランディングとかマーケティングの発想が無い会社も見受けられます。先日も人材派遣会社さんの話をいましたが、テレアポとか、飛び込みとか、いわゆる、プッシュ型の押しの営業スタイルが大半です。
もしくは新規の営業活動は実質やっていないに等しい企業も見受けられました。こういう営業下手な会社が、BtoB企業の場合、多いので、法人営業にブランディングの発想を持ち込む事で、商機を見出せるように感じます。