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ブランディングにインターネットを活用しよう 【第4回】

こんにちは。ブランド&PRチームです。「ブランディングにインターネットを活用しようというテーマでレポートしています。

インターネット活用のポイント(7)ネットショップを使ってブランディングしよう


最近、「ネットショップのブランディング」に関するご相談を多くお受けします。特にメーカー、小売業、サービス業などが新たにネットショップを活用することで、自社の商品を全国に広める活動を通じたブランディングという視点が有望視されています。

ところが、ネット上にお店を出しただけで、ブランディングされることはありません。2008年以降、過剰在庫・広告大量投入によるネットショップの倒産・破産が相次いでいます。インターネット販売はライフサイクル上の成長期から成熟期に入っており、過去のような

 「商品があれば売れる」
 「お店の存在を知ってもらえれば売れる」
 「目玉商品を作れば売れる」


という時代が終わったことにより、自店のファンを作り、特定の客層に喜んでもらえる店作りの必要性が高まってきているのです。

しかし、「ブランディングをする」といって、単に広告宣伝やロゴ・冊子ツールなどにお金をかけたり、プレスリリースを打ったりすれば認知が上がるわけでもないのが実際です。

そこで、これからショップのブランディングに着手し、ファンを作ってネットショップを更なる飛躍に導くために、「ネットショップのブランディング」について、基礎的な内容も含めて、体系的に確認したいと思います。

「ブランディング」とは、大企業だけのテーマではありません。特にこれからの時代はファンがいないと生き残れない時代に差し掛かっています。この点の確認から進めて行きたいと思います。

ネットショップは、ファンがいないと儲からない商売である


ブランディングによるファン作りが必要になってきた背景には、ネットショップのコスト構造のからくりについて確認する必要があります。
ネットショップの売上高は

  「売上高 = 客数 × 客単価 」

で見ることができますが、このうち「客数」を伸ばそうと思うと、
これを更に分解して

  「売上高 = (新規客数 + リピート客数) × 客単価 」

と考える必要があります。

なぜこのように考える必要があるかというと、新規客とリピート客では集客方法が異なるからです。

新規客は、検索エンジン、参照元(リンク)などからもサイトに流入します。しかし、多くの場合、これではほとんどアクセス数が稼げないため、広告を使うことになります。ここで集客コストが掛かります。

一方、リピート客は、メルマガ、ブックマーク、同梱販促物を見ての直接入力、SNS経由の情報などで来店してくれるため、コストをほとんどかけずに集客ができます。

もちろん、オープンしたばかりのお店は、リピート客数は0ですので、新規客を早期に集めない限り固定費が賄えないということになります。

ところが、ここで考えなくてはならないのは、CPO(購入1件獲得あたりコスト・広告費を購入件数で割った数値)です。

仮に、10万円の広告費を使って、注文が40件であればCPOは2,000円という計算になります。例えば客単価5,000円、粗利率が40%のお店の場合、CPOが2,000円なら売上の40%が広告費に消えてしまうことになり、赤字となります。つまり、このようなお店の場合、客数を落とさずに黒字化する方法は、以下の3つの方法しかありません。

  1.今の広告宣伝費で集客数を増やす
  2.無料でできる新規集客策を強化する
  3.リピート客数を増やす


1.今の広告宣伝費で集客数を増やす」ということは、すなわち前述のCPOを下げる(同じ広告予算で、なるべく多くの客数を集める)ということです。ところが、客単価ごとに、ある程度CPOは決まってしまっています。

そしてほとんどの広告媒体では1商品の粗利額以下にCPOを抑える(広告による購入だけで、広告コストを販売粗利で補う)ことは至難である上に、インターネット販売のライフサイクルが成熟期に入るにつれ、広告CPOは高騰の一途をたどっています。

したがって、上記「1.」のみによる黒字化は、今のインターネット市場においては現実的ではないのです。

また、「2.無料でできる新規集客策を強化する」については、主な対策といえば以下の3つとなります。

  A.ポータルサイトの活用
  B.検索エンジン対策
  C.SNSなどコミュニティサービス活用


特に、C.の検索エンジン対策、SNSなどのコミュニティサービスの活用による新規集客は、いずれも有効だと言われている策がいくつか判明しており、一定の成果を出している企業も確かに多いといえます。

ところが、この双方については、いずれも即効性に欠ける上に、決定的な策がないのが現実なのです。

決定的な策がないということは、計画的に集客しにくいということです。したがって、「2.」だけでは、客数を確保しながら計画的に利益率を向上していくことは不可能だといえるのです。

ここまでの結論として、今のネットショップを取り巻く環境から、ひとつのことが言えます。

それは、「今は、新規客に頼っている限り、ネットショップの利益率を向上させることはかなり困難である」ということです。新規集客を増やすための方向性として、広告宣伝費あたりの集客数を大きく増やすことも、無料でできる新規客集客策で計画的に客数を増やすことも困難である場合は、「3.リピート客を増やす」に着手しなくてはならないのです。

私のご支援先の、ある靴のネットショップでは、お付き合い当初、売上高に対する広告宣伝費の高さに課題がありました。

月商で約150万円の売上高に対し、広告宣伝費が100万円近くかかっている状態が続いており、黒字化に苦戦していました。それまで広告宣伝比率の効率化、無料集客策の強化にも着手していましたが、収益構造を大きく改善することはできずにいたのです。

そこで、現状の販売数値の分析に着手したところ、約2,000件ある顧客名簿からの購入件数が異常に少ないことが判明したのです。そこで、新規購入客に覚えてもらうためのサイトコンセプトを再設計した上で、追加購入商品の強化、商品情報の発信体制の強化、メルマガやリピート購入促進策の強化に着手しました。

結果はすぐに現れ、翌月には月商200万円、翌々月には580万円、さらにその翌月には売上は1000万円に達しました。もちろん、広告宣伝費はほとんど増やしていません。

同社が成長軌道に乗れた原因には、もちろん広告出稿の手法の見直しや、新規客集客手法の見直しも行いましたが、ファン客の存在が大きかったといえます。

現在は、全体の購入客数に占めるリピート客数の比率も劇的に改善し、利益率が向上しているのです。新規客に頼らない集客モデルを構築できれば、売上高・利益率ともに、短期間に大幅に改善できる可能性が大きいのです。

ネットショップは、リピート客数を増やし、新規客数の比率を下げない限り、広告費率が大きくなりすぎてしまい、赤字になるのです。

逆に、リピート化が得意なお店は、広告コストをほとんどかけなくても利益が出ます。この傾向は今後ますます強くなることを理解したうえで、ブランディングを考える必要があるのです。