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「進捗」を「管理」できているか?

■進捗管理とは?
どのような仕事をしていても、「進捗管理」という言葉は必ず出てくるのではないでしょうか。このコラムをお読みの皆様もマネージャーの方が多いので、日常業務の中で進捗管理を実施されていることと思います。

皆様の会社では「進捗管理」は正しく行われていますか?
この「進捗管理」という言葉は広く使われている用語のわりに、かなり誤解されているのではないかと感じています。

例えば、私も社内のプロジェクトメンバーやクライアント企業の担当者に対して業務の進捗管理を行う立場になることが多いです。そこでメンバーに進捗を確認すると、「ここまでできました。」「今、これを進めています。」といった回答が返ってくることがあります。また一方で別の場面では、進捗報告を受ける立場にあるリーダーがメンバーへ「どこまでできているんだ?」「今まで何をやっていたんだ?」という質問をしている場面もよく見かけます。

このような状況は、進捗が正しく管理されていると言えるでしょうか。
これらのパターンでは、過去と現在にフォーカスして、状況の共有がなされています。

しかし、そもそも突き詰めて考えると、「進捗管理」とは、ある業務を完遂させる為に行うものです。言い換えると、納期までに望む品質で業務が終わるかどうかを確認し、課題があれば解決策を練って実行する為に行います。

現状の業務進行上の課題を把握する為に、【1】各タスクがいつ終わるのか? 【2】各タスクを終わらせるのにどのようなコストが必要なのか? 【3】各タスクを終わらせるのにどのようなリソース(人員)が必要なのか?を明らかにする必要があります。

このように考えると、進捗管理とは「それまでにどれだけ仕事をしてきたか」を量るのではなく、「あとどれだけ仕事が残っているのか」で考えるべきだということが判ります。

■「進捗管理」の内容と方法を決める
正しい進捗管理のポイントは、メンバーとリーダーの情報の共有です。
情報の共有にあたっては、まず何を共有すべきか(メンバーからしたら、「何を報告すべきか」)をメンバーとリーダーの間で明確にしておく必要があります。

■スケジュール面(量的側面)
(1)現在までの完了項目
(2)今後予定している項目
(3)それらにかかる時間
(4)特にボトルネックとなりそうな項目
(5)その解決策

■内容面(質的側面)
(1)依頼内容に対する達成度合い
(2)内容的な課題
(3)その解決策や自分なりの工夫点

これらの項目をしっかりと事前に共有した上で、共有するタイミング(マイルストーン)を決めておくことが大切です。
いつ、なにを共有するか決めておくことで、課題の発見が早期化し、課題に対する思考が深化するのです。

■「進捗」させる為のポイント
先ほど、進捗管理の目的は業務を完了させることだと書きました。そして、そのために必要なのは「現状の把握」と「問題解決」です。この「問題解決」についてもしっかりと意識して欲しいと思います。何かしらの計画やスケジュールを決めた時点で、その計画やスケジュールには必ずうまくいかない理由が潜んでいます。それらの理由が放置されるので、計画やスケジュールはうまくいかないのです。

先ほどまでのお話を受けて、進捗の管理にあたる皆様は、現時点の立っている場所からゴールまでの距離と道筋を見積もっているはずです。そこでやって欲しいのはそのスケジュールがうまくいかない理由をとにかく書き出すことです。「○○の業務で忙しい」「○○の理解を得ることが難しい」どんな些細なことでもかまいません。そのタスクが失敗するとしたらどのような要因があるのかを列挙して下さい。

そして、それらの要因に対して予め対策を考えておくのです。対策を考える際には、「なぜ、その様なことが起こってしまうのか?」を繰り返し考えることがポイントになります。

こうして予め対策を練りこんだスケジュールをひくことで、品質や納期を守る流れを作ることが出来ます。少しネガティブな作業になりますが、業務を進める際には必ずうまくいかない場合と要因を想定して下さい。

皆様、如何でしょうか?
シンプルなテーマほど、実はできていない瞬間があると思います。
皆様も日常の業務の中で進捗管理のあり方について見直してみていただけますと幸いです。