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現場発!業績アップは5Sから!

先日、新たにご支援をすることになった企業様に訪問しました。
ご支援のテーマは業績アップの為の販路拡大の支援です。

メーカーの業績アップを支援する際のパターンとしては、
【1】商品力が強いが、販売活動が弱い
【2】商品力に課題があり、販売活動が弱い
といったケースを想定しながら進めることが多いです。

今回のケースでは、事前のヒアリングより、
【1】のケースという仮説を持って現場に訪問しました。

現場視察を行った結果、仕入活動や顧客対応力や商品供給面での優位性が明確になり、
業績アップのシナリオと販路拡大の為の取り組み内容が具体化してきました。

しかし、打ち合わせが終わり、現場の加工場の視察に入った瞬間です。

その雰囲気が変わってしまいました。

食品製造業であるこの企業、現場の加工場には「驚くべき事象」が、
現場のあちこちに見つけられたのです。

作業導線や設備のレイアウトの困難性といった施設面での課題は致し方ないのですが、
整理・整頓や清掃活動においては、多くの問題が浮き彫りになったのです。

真空調理機器の周辺にはビニール袋が散乱し、冷蔵庫には在庫品が直置きにされたままの状態。
工場内の温度管理を行うためのダクトの空気口には、蜘蛛の巣がなびいている状況。
そのような環境下で、従業員が楽しげな会話を繰り返しながら作業を進めている光景。
地方都市の加工場ではよく見受けられるシーンなのかもしれません。

しかしながら、これから取り組もうとしていることは、
全国の都市部の小売店や飲食店に対して、
品質の高い商品を提供していく取り組みです。
商品の質にあわせたレベルの衛生状態と品質管理体制を求められます。

つまり、工場視察では、
加工場の「整理」、「整頓」、「清掃」、「清潔」、「しつけ」の仕組みの無さが
さらに浮き彫りになったのです。

価格優位性や物流面でのメリットは多くあるのですが、
いまのような環境・衛星状況で商談を進めていくとなると、
どこかのタイミングでお客様からのクレームや異物混入等の問題が発生しそうな気配があります。

結局、会社として多くの面で競合企業に対して優位性を有していても、
基本的なレベルに到達しなければ、会社としても機会ロスに繋がってしまうのです。
この企業では、仕入努力を他社以上に取り組んでいますし、
顧客対応時間においてもほぼ365日とフル稼働状態で対応する真摯な姿勢を持って取り組んでいます。
その甲斐あって、ここ3年間は業績も増収、増益を達成しています。

しかし、今の状況で更なる事業拡大を進めていくとなると、
いずれどこかの時点で、事故が発生するでしょう。

いくら真面目に商品を製造し、顧客に対応していても、
一度の事故で全てを失うことになってしまいます。

5S活動は習慣化していないと正直、会社にとって面倒な事かもしれません。

また、直接的に付加価値が生まれるものでも無いかもしれません。

しかし、どの企業にとって、生産性を高め、企業水準を維持する為には絶対に必要な取り組みです。

「5S活動が必要です」と簡単に言いますが、
現場でその5Sを実践することの難しさも、改めて実感した瞬間でした。

業績好調な企業様も、一度立ち止まって、
社内の状況を「5Sの視点」で振り返る時間を作る必要がありますね。

売上高をアップする為のポテンシャルは非常に高いのですが、
商品の品質を維持する為の仕組みが無いために、弱さが露呈した出来事でした。