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社会性の高い新規事業がいま注目されるわけ

▼『人が集まる多角化戦略のポイント 2024年時流予測レポート ~今後の見通し・業界動向・トレンド~』 無料ダウンロードはこちら
人が集まる多角化戦略のポイント 2024年時流予測レポート ~今後の見通し・業界動向・トレンド~

■社会性の高い事業が、新規事業として注目されている

これまで"新規事業"といえば、高い収益性、投資回収期間、参入障壁などといったキーワードが注目されてきました。しかし社会が成熟し、また多くの社会的問題が山積する時代だからこそ、いま経済性だけでなく社会性と両立できるビジネスが注目されています。
具体的にどういった層の方々が多く注目しているかというと、
・企業のブランディングを強化したい
・本業の収益も確保しつつ、それとは別に第2本業として新規事業を行いたい
・経営者が事業継承後に、社会への恩返しを意識した事業を行いたいと考えている
・既存事業の競争が激しい
・既存事業が斜陽産業の業界である
こういったニーズをもっている人が、社会性の高いビジネスモデルに注目しています。

■例えばどういった業態が注目されているのか

本コラムで紹介する事例は、
発達障害をもつ子供向けに幼児教育を行う、幼児教育を行うある企業です。

日本の全未就学児のうち、約8.8%に当たる42万人もの子供が障がいを持っていますが、それをケアできるサービスは日本ではまだまだ少なく、9割以上がサービスを経験していない、という現実があります。通常のサービスでは、ただ預かるタイプの保育事業が多いなかで、障がいを持つ子供への教育に特化した、専門性の高いビジネスモデルで成功しているのが同社です。

少子化の流れの中でどうして成功できるのかと思われるかもしれませんが、同ビジネスモデルは平均4か月で黒字化に成功しています。

■同社の成功のポイント

①ニーズはあったが参入が難しかった福祉市場への参入
現状約42万人もの子供が発達障害を抱えており、少子化の流れの中でありながら今後もその数は増えていくことが予想されています。その要因はいくつかあり、近年発達障害の診断基準が変わり、これまで障害とみなされなかった軽症(軽症でも生活上の家族への負担はもちろん有る)も診断されるようになったことや、広く一般に認知されたことで、家族や周りの気づきや医療ニーズが高まったことが挙げられます。
ニーズはあるにもかかわらず、発達障害児への教育は専門性が高く、かつ人材不足の問題もあり、だからこそ新規参入が少なく、競合が少ないことがポイントとなりました。

②ポジショニングの徹底
先ほど申し上げたように、発達障がい児への教育は大きな課題があります。
まだ言葉での意思疎通もままならず、成長途中で動き回りたい年齢の発達障害を抱えた未就学児への教育というのは、専門性を持った人間でなければ指導は難しいというのは、イメージができるかと思います。そのため、専門性を持った人物の採用・育成は大変難しく、従来はただ預かるといったタイプのサービスがほとんどでした。
他社が参入に躊躇するそのポジションに同社は着目し、その課題を解決する方法を掛け算することによって、業界でのポジショニングを徹底させています。

③他社の参入が難しい指導員育成と豊富なテキストのコンテンツ確立
同社は約25年間教育業界で幼児教育を行ってきました。その経験やノウハウ、ツールを発達障がい児教育へ生かしたことが、3つめのポイントです。独自のさまざまなツールやプログラムを作成し、子供の状況に合わせた療育ができるようにコンテンツを充実させました。またこれによって、指導者の育成サポートにもつながっており、同社のフランチャイズ加盟企業オーナーの9割以上は教育業界未経験者が占めています。

■実際に社会性の高い事業で成功できるのか

引き続き同社の事例を紹介していきます。
例えば、本業ガソリンスタンド業界や廃棄物業界の企業が、本業の業界の厳しさやリブランディングの必要性から児童発達支援事業に参入し、業界未経験ながら15教室も展開をしています。また、事業を継承したタイミングで前経営者が社会への恩返しをしたいという想いから参入した事例もあります。
市場成長が厳しい事業を縮小・売却し、成長マーケットへ再投資をおこなう企業が、業界未経験にもかかわらず多く参入し成功しているのです。

社会性=慈善事業といったようなイメージに囚われがちですが、市場ニーズの見極めと確かなビジネスモデルの確立で収益性との両立を果たしている法人は存在しています。
新規事業を検討する際は、"社会性"という視点を取り込んで検討してみてはいかがでしょうか?
詳細が気になる方は、こちらから無料レポートもダウンロード可能です。
みなさまの新規事業検討に当たって、一助となれば幸いでございます。

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