皆様の会社では、毎月、毎週、もしかしたら毎日、何らかの会議を行っていることだと思います。私たちコンサルタントは、自社の会議もあるのですが、お客様先の会議に参加することが多くあります。幹部社員会議、営業会議、事業実績報告会、などなど。様々な会議に出て感じたことを、今回は書かせていただきます。
会議に関しては多くのノウハウ本が出版されていますので、会議の本質を少し考えたいと思います。
■ この会議は本当に必要か?
私は新規でコンサルティングさせていただくことになったクライアントには、出来るだけ早いタイミングで、「御社はどんな種類の会議があり、月に何回くらい実施されているのですか」という質問をしています。
その理由は、「多くの会社は必要性の低い会議を行っている可能性が高い」からです。
ご存知の通り自社内での会議の時間というものは、原則的に直接利益を生み出すことはありません(もちろん大きな利益を生むための大事な仕組みですが)。加えて、一定の人数の時間を数時間拘束するわけですから、その時間における利益獲得機会を喪失しているとも考えることができます。
ということは、会議とは、会社の利益を生むために必要最低限の回数、必要最小限の時間で行うことが本質であると言えます。
そこで、まず皆様に考えていただきたいことは『今出席されている会議は本当に必要か?』ということです。
例えば、「締め切りは○月△日です」とか、「今月の売上は○○円」というような事務的なことを確認しあっているだけの“報告会”のような会議。定期的にあるメンバーで集まることで、会社や部などの結束を高める効果は考えられますが、このような報告のみならば、極端な話、メールや貼り出しでも良いのではないでしょうか。
■ 会議の存在価値を考える
必要かどうかを考えるには、「この会議は何のための会議か」を考える必要があります。つまり、各会議の存在価値を再検討するのです。
多くのクライアントの会議に出席していると、この会議の存在価値を認識していない人が実は多いことに気付かされます。
存在価値を認識していないことにより、会議全体のゴールが見えない。ゴールが見えないから、だらだらと時間がかかってしまう。しかも最終的に何が決まったのかが曖昧。個々人では、ゴールが見えないから積極的に参加するモチベーションも上がらない。
このようにゴールが見えないと、場の空気も淀んでしまいます。そんな場の空気が淀んだ会議、ありませんか?
■ 参加者と時間を絞り込む
「その会議の存在価値を考えると、やはり行う必要がある」となったら、次に考えるべきポイントは「参加者」です。
会議で、発言回数が少なく、特にメモも取っていないような参加者はいませんでしょうか。そのような人に対し、上長は「当事者意識を持って会議に参加しろ!」と促すことが多いのですが、その前に少し「その人はこの会議に参加しなくてはならないのか?」、または「この会議にいなくてはならない役回り・ポジションの人なのか?」と考えてみてはいかがでしょうか。
会議には若手の教育の場という側面があることは間違いありません。ですから、自分とは直接関係のない会議にも参加して積極的に発言することはとても意味のあることです。しかし、それ以外で会議に参加する人数が多い必要性はあるのでしょうか?
人数が多くなればなるほど、事柄の決定までに時間がかかりますし、責任の所在も分散される傾向が強くなることも考えられます。
このようなことから、会議を行う上でのポイントの一つは「参加者を絞り込む」ことと言えるでしょう。
もう一つのポイントは「時間を絞り込む」ことです。
会議の優劣を決めるのは、何時間行ったかではありません。当然ですが、決定事項の質がその会議の優劣を決定するはずです。
ならば、決定事項の質が同じならば、会議に要する時間は短ければ短いほど、レベルが高い会議であると言えます。
また、長時間になれば集中力の低下と共に、頭の回転スピードはどんどん落ちていきます。そんな中で最後に質の高い決定をすることは非常に困難な状況になることは明確です。
つまり、会議は前もって終了時間を決めておいて、その時間の中で精一杯盛り上がろうと頑張るほうが、はるかに効率的な会議になると言えるでしょう。
以上のように、普段の何気ない会議の常識を疑ってみることは大変有効ですので、是非とも一度皆様の会社での会議について考えてみてください。