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日本をイノベーション国家に変貌させることができるか

日本のイノベーション力の低さが話題になることが多くなりました。コーネル大学、欧州経営大学院(INSEAD)、世界知的所有権機関(WIPO:World Intellectual Property Organization)が2007年から毎年発表しているグローバル・イノベーション・インデックス2016ではイノベーション度の世界ランキングにおいてスイス6年連続1位です。

2位スウェーデン、3位イギリスと続き日本は3つ順位を上げて16位だということからも日本はイノベーション力という面で課題があるということがわかります。アジアで最高位は6位のシンガポール、続いて韓国が11位、香港14位ということですからそれらの国よりも日本は変化・創造的破壊が苦手なのだというのが実態なのでしょう。

これらの遠因には欧米の1年間の開廃業率がずっと約10%程度あるのに対して、日本の開廃業率はずっと4.5%~5%程度だからなのだとよく語られます。現在、連日、新聞紙上などでは働き方革命に関しての各種調査などが発表されていますが、その資料の中では、転職や副業などがOKであった方が利益率の高い会社経営ができる可能性があると語られています。

日本型経営の特徴として従業員に対して家族のように接し、終身型で雇用を守る良さがあるという部分がよく取り上げられます。私自身、業績が不振で先が見えなくなったらすぐにレイオフを実施する欧米型の経営は日本にはあまりなじまないと思います。特に船井総研のコンサルティングでは創業者である船井幸雄先生の思想自体が「会社は社員を首にしないのが一番良い」というものでしたので、最後の最後まで従業員を信じる経営を目指そうとクライアントにお話しすることが多いことも事実です。

従業員にも会社を大好きになってもらい、細かな指示、厳しい管理が無くても各自がしっかり自分の職責を理解し業績向上を実現していく・・・。これが日本型経営の理想の“美しい姿”なのだと信じたいのです。そして船井流では「やる気の法則」として1対1.6対1.6の二乗をあわせてお話しすることが多いです。

これは命令されて意味も分からず(嫌々取り組んで)仕事をした時に1の生産性。仕事の背景や意味を理解し、納得して取り組んで働けば、その時の生産性は1.6。自分から積極的に仕事に参画し、意見などを出すようになれば、その時の生産性は1.6の二乗=2.5ほどの成果となるので人を信じ仕事を任せて参加型経営を推進しようという話です。

これらの話の意味するところは長期雇用をベースに従業員が伸び伸び発言でき、チャレンジが許されるならば、それは個々の従業員の能力発揮にもつながり、ハッピーな会社ができるはずですよということだと思います。伸び伸びチャレンジできない環境で長期雇用を維持するということは難しいのです。当たり前と言えば当たり前ですが、この部分が日本の企業のイノベーションを実現するには特に必要だと強く思います。