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サービス業のブランディング(1)

私はこれまでサービス業をメインにコンサルティングを行ってまいりましたが、特に最近このサービス業におけるブランディングの重要性を強く感じます。

その背景には以下の3つが要因として考えられます。

1.販促やプロモーション活動での集客が難しくなっている
2.多くのサービス業が成熟し始め、差別化しづらくなっている
3.消費者の知識が高まり、品質の良し悪しが明確になっている


サービス業とその他の業種の一番の違いは、「人」がもたらす影響です。サービス業は基本的に目に見えないものが多いことから、人材品質がそのままサービスの品質、会社の品質として映ることは言うまでもありません。

一般的にこの人材品質を高める方法としては、接客レベルの向上、つまりコミュニケーションスキルや豊富なサービス知識の保有が求められるのですが、一方でそれらを表現することは難しいものです。

「私たちは接客に力を入れています。」と謳っても、その根拠が曖昧であったり、具体策が明記されていないという企業は多く、消費者に伝わりにくい側面もあるのです。

ある人材派遣会社A社では業種に特化した専門性の高い人材を派遣しています。派遣会社も登録社員を含めた「人材品質」が問われる業界です。
そして以前、このA社から、「社員の品質を効果的に伝えていきたい」という依頼がありました。実際、当時は「強みは人である」と謳いながらも、それが全く伝わる形になっていなかったのです。

そこで、社長のヒアリングや幹部へのヒアリング、その他内部調査を実施いたしました。
その結果、いくつかのA社ならではのこだわりが見えてきたのです。

【A社の社員の品質へのこだわり】

採用している社員は全て大卒である(しかもある特定の学部に限定)
採用の選考ステップが極めて慎重でハードルが高い
入社前研修は全て社長が実施している
入社前研修に3ヶ月間要する
社長が全社員(100名程度)と年に1回個別面談をする


上記以外にも多くのこだわりがあるのですが、これだけでも競合他社にはない取り組みとして挙げられました。
そして、これらをツールに落とし込み、さらにそれを顧客とのコミュニケーションシーンで積極的に打ち出したのです。

これはあくまで一例ですが、この「人材品質」に対するこだわりこそ、サービス業のブランディングのポイントとなります。
次回からはその具体的な方法について述べたいと思います。

ブランディング