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時流の変わり目を見極めて業績を伸ばしている企業-2

6.日本型人事制度
人事制度のシステムを開発販売しているIT企業からPRのご相談を受けました。人事制度システムは好景気に重要視されて、不景気には「人事制度では売上げは上がらない」と言われて、軽視される傾向にある商品です。ですので、本来とても大切な要素なのですが、ここ数年は企業側の優先順位が低くなっていました。

ところがここ最近、大手企業を中心に同社のシステムが好評で、10月以降受注が急増してそうです。理由は2つあるそうです。

(1)企業側のリストラがひと段落して、今度は残った社員にいかに活躍してもらわないといけない段階に入った。社員やグループ会社が、何が得意で、何が出来るかをプロファイルし始めている
(2)終身雇用や浪花節人事といった「日本型人事」が世界から認められ始め、日本型の人事そのものが日本企業のグローバルな競争優位性になると見直されている


つまり、現行勢力で戦わないといけない企業が今いる社員の力をより引き出すために、人事制度に再び力を入れ始めた。そして、日本型の経営、日本型の人事システムが世界的に見て、優れている事に気づき始めたというわけです。

年商数億円のベンチャー企業ですが、名だたる超大手企業からどんどん引き合いが来ています。大手IT会社の基幹システムでは対応できないきめ細かい設計で日本型の人事制度の強みをシステム化している点が、同社の好調の要因です。

ずーと不景気でも無いし、ずーと好景気でも無いので、その変わり目の時流をうまく見極める事がビジネスでは重要ですね。


7.跡地活用ビジネス
日経新聞「列島ダイジェスト」は地方の元気企業を紹介するコーナーです。そこで、宮崎の企業「WASHハウス」が紹介されていました。郊外型コインランドリー店を展開していますが、コンビ二、ファミレス、ガソリンスタンドの閉店が多いので、その跡地の活用を希望する出店の打診が増えたそうです。こういう跡地活用ビジネスが活況のように感じます。

280円のジャンボ焼き鳥の「鳥貴族」は、ビルの地下とか上層階とかわざわざ条件の悪いテナントを選んで出店すると言います。そのほうが安いからです。リピーターの多い「鳥貴族」は、入りやすく目立つ立地に出店する必要がないのです。これが1品280円のローコスト居酒屋の安さの秘密です。こちらも空きテナントが多いので、家賃も下がり優位にビジネスを進められるそうです。

また、レンタルビデオショップの「ムービーバンク」もそうです。6時間145円の自動レンタルムービーショップです。「24時間365日、いつでも借りれるいつでも返せる」というコンセプトがうけています。

魅力は少人数小スペースで出来るビジネスモデルです。3~5坪の狭小店舗でいけますし、自動販売機(ベンダー)方式なので、多くのスタッフを必要としないので、人件費を抑えて商売が出来ます。

プリペイドカード方式なので、未収リスクも少ない、回転が速いので、庫が不足する心配は無いというメリットもあります。一昨年、イタリアから日本初上陸したFCで、全国で10店舗程、展開しています。おそらくTUTAYAやゲオの商圏の隙間のエアスポットに出店出来れば、上手くいくでしょうね。大型マンションのテナントに出るのも面白いと思います。

こちらも都心のテナントが抜けていますので、その跡地で目ぼしい店舗はすぐ見つかるはずです。この宮崎のWASHハウスさんも九州以外にも早く出たいと仰っていますが、地方企業が東京や大阪の大都市圏へ進出するには、今がチャンスだと思います。


8.成功報酬型モデル
最近、成功報酬型モデルのビジネスをよく見かけます。営業代行、採用代行、PR会社、通販、プロデュース業など、やってみないとどれくらいの成果が上がるか解らない業種でそのような成功報酬型のモデルを見かけます。

・人材募集代行=応募した人と面接が出来たらフィー発生
・営業代行=1件アポ取りでフィー発生、成約でフィー発生
・PR=記事として掲載されたフィー発生
・通販代行=通販運営のすべてを代行して、メーカーからフィーを得るモデル。広告費も一切掛からない
・プロデュース業=前年よりも業績が上がった分の何割かをフィーとして請求

などなどの思い切ったモデルです。当然、成功報酬なので、通常に頼むよりも割高にはなるのですが、依頼主のクライアントからすると空振りが無いので、リスクヘッジになります。今のビジネスを少し割高にして、成功報酬型の商品が作れないか?考えて見るのも悪くないと思います。発想を柔軟に。


9.携帯ゲームのテレビCM
朝日新聞の天野祐吉さんのコラム「CM天気図」で、携帯ゲームのCMについての批評がありました。確かにものすごい量のCMを見ます。1社で何パターンもの素材があり、メジャーなタレントを起用しています。しかし、天野祐吉さん曰く、「ケータイが泣くよ」と。携帯電話の可能性やゲームの面白さが伝わってこないというコメントをされています。「ゲームをやりたい!」とは、あまり思わないCMだという意味ですね。

携帯ゲームが主力のSNS2社の7~9月の業績が発表されていましたが、広告費をそれぞれ30億円づつ投入しているそうです。DNAは前年同月比で売上は3倍、利益は4倍に増えており、グリーも過去最高益です。

それぞれ2000万人以上の会員がいます。ここで一気に会員数を拡大しようという戦略だと思います。でもそんなにお金を投入しても、天野祐吉さんが指摘しているような事を、視聴者も感じているとすれば、勿体無い事になってしまいます。

CMの投下量が多いと与える影響力も大きいのですが、問題はCMの好感度なのです。しかし、営業利益率50%を超える携帯ゲームのビジネスモデルはスゴイですね。30億円の広告費を突っ込んでも利益が出せる構造を研究したいと思います。


10.小さなブランディング~土屋鞄製造所のこだわりランドセル~
こだわりのランドセルで有名な土屋製造所さんのコンセプトショップ童具店(どうぐや)に行きました。中目黒店は、目黒川のほとりにあるとてもおしゃれなお店です。土曜日に行ったのですが、すごい人の数にびっくりしました。

手作りのランドセルなのですが、一般的に最も普及しているクラリーノ(合皮)だと3万円~4万円が中心価格なのですが、童具店では牛皮が最も売れるそうです。値段は6万円前後。「アトリエランドセル」という鞄デザイナーを起用したデザイン性の高いランドセルなどもあり、裏地などもアートな仕上がりになっていて、ワクワクします。

店舗のデザインは、おしゃれなブティックかカフェといった感じ。カタログやパンフレットも土屋鞄の世界観を表した暖かい作りになっています。

ホームページも同様です。また、保育園や幼稚園で配られているフリーペーパー「あんふぁん」でランドセル作りのこだわりを伝える内容のペイドパブ(編集タイアップ広告)を定期的に出稿していたりもします。

こういったクリエイティブやメディアなどを使って「伝える努力」をしている点が土屋鞄製造所が小さくても強いブランドを作れた要因です。当然、この童具店もそのブランディングの一環です。しかし、一番のブランドの肝は、根っこにある「ものづくりに対するこだわり」です。

土屋鞄さんのようなとんがった展開は、大量生産大量販売のナショナルメーカーには出来ない戦略なんです。そこに商機があって、そんなナショナルブランドの逆を行く、こだわりブランドが支持されているわけです。ビジネスのサイズが小さいから出来るビジネスモデルであり、それを支えるのが、一連のブランディング戦略だと思うのです。

土屋鞄製造所さんのブランディングには、小さい企業が目指すべきヒントがたくさんあるように思います。