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『会社を変えるには自分が変わる』~求められる「自分ごとで捉える」経営幹部

『今の売上を3倍にするには、どうすれば良いと思います?』

お付き合いしている社長、あるいは取締役の皆さんにこんな質問を投げかけることがある。

最初のうちは、

「いや~、そんな方法がわかってる位なら、こんな苦労してませんよ。」
「そんな方法、川原さんわかってるんだったら教えてくださいよ。」

といった会話が続くのだが、あえて答えを待ってみる。

「今の事業で考えると、拠点を増やしていく必要があると思います。」
「新しい事業を立ち上げて軌道に乗せるのが不可欠だと思います。」
「そもそも今のビジネスモデルも変えていく必要があると思います。」

ようやく、少しずつ意見が出てくる。

『ではもうひとつ質問ですが、それ(拠点を増やす、新しい事業を軌道に乗せる、ビジネスモデルを変える)をやるのは誰なんでしょうか?』
『○○社長、社長ですよね!』
『□□専務、専務ですよね!』
『△△本部長、あなたですよね!』

それぞれの会社で大きな責任を担っている方々なので、当然そこに異論が出てくることはありません。

『さらにもうひとつ質問ですが…、それをやる自分自身は、今のやり方(マネジメント)を全く変えずに経営していると思いますか?』

経営層の多くから、こんな相談をされるケースが多い。

「うちの中堅幹部はまだまだ管理職という意識が足りないんですよ。」
「いまいち元気のない会社の風土を変えていかなければなりません。」

当然、経営層の方々なので、会社を成長させていくための課題を認識して、
そこに手を打ちたなければならないという強い想いを持っている。

我々もその想いに応えるべく、中堅幹部や社員の皆さんの行動変革にアプローチしたり、
あるいは意識変革にアプローチしたりと、さまざまな打ち手を提案しながらコンサルティングを進めていく。

その組織の状態にもよるため、短期間で成果が出てくる会社、
成果が出るまで一定期間を要する会社と色々なケースがあるものの、仕掛けたことに対して変化は必ず表れる。

その必ず表れる変化のひとつに、「経営層に対して要望を上げるようになる」といった行動がある。
会社を良くしていくために、「本当はこうした方が良い。」と思っていることは積極的に上申していくべきだという意識が出てくるからだ。

ところがこのタイミングで、「会社を変えたい。」と言っていた経営層の方から、
「いやいやそれは過去の経緯からしょうがないんだよ。」といったストップがかかるようになる。

そして、表れていた変革の兆しは急速に萎んでいく。
自分たちの責任とは思いもせずに、「やっぱり会社を変えるってのは一筋縄じゃいかないね。」といったコメントまで出てくる。

「企業はトップで99%決まる。」と言った船井幸雄の言葉を思い出す。
会社を変えたいという言葉は、得てして“自分”を入れるのを忘れがちになる。

いつ気づいても遅くはない。“自分”も変わるという覚悟を決める瞬間が必要不可欠だ。