前回のコラムでは、「経営者からよく聞く悩み」と「その対策」についてお送りさせて頂きました。
悩みは大きく「①事業承継」「②新規事業・ホールディングス化」「③中堅層のキャリア」に分けることができ、その対策は、「10年ビジョン作りを基点とした、会社改革にチャレンジしていくこと」だとお伝えしました。
これからの時代に大切なことは、「既存の延長線上で考える思考の枠組み」を外し、これから先、「自社はどういう状態になっていたいのか」を考え、そこから逆算して計画を立てることです。
今回のコラムからは、ある「ぱちんこ企業」様が「10年ビジョン作り」に取り組み、いまも改革をどんどん進めている企業事例をご紹介いたします。
エピソード①~③まであり、本コラムでは①をお送りいたします。
※実際に推進を担当している経営層の方の視点からお送りします。
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エピソード①:創業約50年、厳しい中でも「ぱちんこ事業」を伸ばしてきた。「攻めの新規出店」を軸とした「中期事業計画」のお陰で、次の3年間の成長が見えた!
1967年に創業し、今に至るまでずっと、ぱちんこ事業を主軸に成長してきた。
連チャン機の規制や大当たり確率下限値変更といった厳しい出来事に遭遇しながらも、それを乗り越え、業績・店舗数を順調に伸ばしてきた。
自分たち独自の「 成功する店舗フォーマット 」の開発がうまく行き、新店を出せば、きっちり売上利益を作れる店舗を増やしていくことが出来た。これは大きなプラス要因だった。
普通ぱちんこ店を出す際には、見つけたその土地・物件に合わせて店舗設計をしてしまいがちだが、ウチは違う。「 成功する店舗フォーマット 」を出せる土地・物件を探すのだ。
フォーマット通りに出せないのなら、その土地では出店しないと決めている。
「 勝つことの再現性を高める 」という発想が功を奏してきた。
2005年頃にぱちんこ業界はピークを迎え、そこから今に至るまで、業界全体として厳しい状況が続いている。
店舗売却や事業撤退といった未来が訪れることは分かっているが、やはり先行きは不透明・不安定。
他のぱちんこ企業も悩んでいるようだ。
今年2020年、まわりに先がけて積極的な新規出店をどんどんしていこう。
「ぱちんこ事業は縮小させていく」という他社も出てきているので、ウチのフォーマットに合うようであれば、買わせて頂き、リニューアルすることで自店を増やすチャレンジがしやすいタイミングでもあるからだ。
逆に、ウチの老朽化が進んでいる店舗や、地域の市場環境が悪くなっていくことが予測される店舗は、整理する方針も打ち立てた。これは決して後ろ向きな考えではなく、ぱちんこ事業をしっかり伸ばしたいからこそ、だ。
正直、来店下さるお客様・ファンの方々の数が5~10%減少していっている店舗があることは事実だ。そこから目を背けたくなるが、しっかり直視することに決めた。
冷静に捉えるに、なにも自店だけの客数が減っているわけではない。その地域の問題だ。
立て直しが効かないタイミングになるまで待つのではなく、早めに対応しておけば、良い条件で売り抜けることができる。ずっと一緒に頑張ってくれている従業員を守るためにも、先を見通し、勇気をもって推し進めることにした。
こういった内容を盛り込み、3年後の売上目標から逆算し、事業計画を打ち立ててみた。
これまでは、毎年その1年間の営業計画だけを立ててきたが、3か年というスパンで考えると、一段階目線が上がる。
業界全体として悪くなることを数字から直視し、3年後の自社売上を予測すると、早めの新店展開は必須だと確信を持つことができた。よし、3年後までは、攻めの姿勢でまだまだ成長させられそうだ…。
そんな計画を立て、着々と実行を推し進めていた折、以前からお付き合いがあった船井総研から“ある提案”が来た。
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次のコラムでは、「どんな提案」だったのか「それを実行したことによる効果」は何だったのか。
このあたりについて、引き続き回顧録形式でお送りいたします。
以上
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