皆様経営方針発表会は毎年実施されているでしょうか。
経営方針発表会とは社員に今後の方針を経営層から発表し納得させる場でしょうか。経営層が考えている事を発表し共有化してもらう場でしょうか。
私はそうは思いません。
そのような経営方針発表会は得てして終了後社員の表情は暗く、次の日の行動にもなんら変化は及ぼさず、逆に「うちの会社方向性が曖昧じゃない?大丈夫?」といった声が上がることの方が多いように見受けます。
私のご支援先でも毎年経営方針発表会を行っています。毎年全社員1泊2日の泊りがけで行います。この経営方針発表会の各自の宣言や気持ちの高ぶりが期のスタートなのです。それを一年間持続させ実行してきた人が結果を出し次の年の経営方針発表会で笑顔になれるのです。20代の社員を中心に約40名のこの企業でこの経営方針発表会が1年間に渡るほどの勢いを与えるものとなっています。
この企業の経営方針発表会のポイントには下記のようなことがあります。
1.大前提として、方針発表会は前期の悪い点を指摘する場ではなく未来をどう作るかを皆で共有する場という認識に重点が置かれている。
2.毎年新入社員に歩み寄り「よく来たね」と孫のように可愛がっている会長の優しい笑顔と言葉がある。
3.経営層からの発表は全体の3分の1程度。その他は現場からの発表に時間を割いている。
4.来期いくらの売上を目指すかは自分達で決めその達成を宣言書として会長に提出する儀式がある。
5.経営理念やその年のコンセプトを伝達する時間がしっかりと設けられている。
6.来期の戦略をチームごとで再度話し合う時間が経営方針発表会の中で設定されている。
7.席次表、テキスト、部屋割り、お茶の用意、タイムキープの為の「あと○分」のパネル、タイトルの横断幕など細かな部分に渡るまでの準備が行き届いている。
8.懇親会でも様々なゲームや発表など趣向を凝らした企画がなされている。
9.社長含め朝方までその日は飲みニケーションをする。
とにかく未来を創ることに目が向いている方針発表会なのです。
この広告不況の時代に前年比104%を達成しているセールスプロモーションの会社です。その数字の要因はこの経営方針発表会によるところが大きいと私は捉えています。この方針発表会のために各チーム、各リーダーとメンバーが来期どのようなチーム編成にしてどのような戦略を組むか3ヶ月ほど前から話し合いをし出すのです。
社長もそれに合わせて評価や面談を行っていきます。ここに向けて計画性を高め、方針会の場を皮切りにモチベーションを一気に来期に切り替えて盛り上がっていくのです。
予算計画はこの時代に前年比140%以上を設定するほどですが現場はそれを嫌そう顔もせず、チャレンジします。そんな高い壁を越える準備をしているからこそ数字も好調なのです。
モチベーション、計画性、数字、理念、コミュニケーション、この5つを連環させていくこと、それがブランド力を向上させる経営方針発表会のポイントであると思います。