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新規開店までの道のりは?

コンビニの出店戦略は、業績の悪い店舗を閉鎖し、より良い立地条件の新規店舗を出店する、スクラップ・アンド・ビルドの戦略をとっています。新規店が次々と出てくる一方で、閉店した店舗も多く存在しています。

イメージでは1000店舗閉店して1500店舗出店するという感じです。セブン-イレブン・ジャパンの計画では、2010年度は1000店舗の新規出店を予定しています。

では、新たに出店する店の準備作業はどのようなものなのでしょうか。今回はそのあたりを見ていきます。
まずは、当たり前ですが、出店する候補地を探すところから始まります。本来であれば、ここが最も重要ですが、今回は出店候補地が決定し、建物の建設工事が始まるところに注目してみます。

新規出店候補地が決まると、店舗建物の建設工事が始まります。そしてその間、店長は様々な申請や講習を受講します。

【申請書】
●葉書、切手を販売する場合……店舗近隣の郵便局へ
●たばこを販売する場合……店舗近隣のJT支社へ
●米穀を販売する場合……店舗近隣の市役所や区役所へ
※酒類の販売には、一定の営業経験がないと申請できないので、一般的な新規店舗の場合は申請できません。

【講習の受講】
●食品衛生管理責任者……店長が講習を受講
●防火管理責任者……店長が講習を受講
※資格受領後店舗に保険所・消防署の担当者が現地調査に来ます。

このように、開店までに必要な許認可関連の業務をこなしていきます。

次に、店舗建物が完成し、店舗内に什器(棚)が搬入されると、店舗レイアウト決めて、商品発注作業を始めます。店舗内のどこに何の商品を陳列するのかを決めていき必要な商品を発注していきます。

この作業で店長や本部社員の技量が分かります。店舗近隣商圏に必要とされる商品を見極め、それを適した場所に陳列をしていきます。特に新店の場合、最初の店舗レイアウトが今後の店舗の明暗を分けるので非常に重要です。私が新規店舗に携わる場合も、特にここを重視します。

このほか、商品発注作業と平行して、店舗従業員の募集採用活動を行います。どの店舗でも新店のアルバイトは非常に人気があるので、面接にもかなりの時間がかかります。ここでは、適正なシフト・人員配置を目指して採用活動をしていきます。

新規採用した従業員は開店前にトレーニングをします。オープン前のレジを使ってレジの接客トレーニングを中心に行います。

また、この時期に防犯カメラの設置作業も行います。商品レイアウトが決定し、店内の死角や高額商品の陳列場所を把握した段階で、重点的に撮影したい場所が映るように防犯カメラの設置・調整をします。

オープン1週間前にもなると、発注した商品が続々と納品されてきます。この納品された商品を新規従業員と一緒になって陳列していきます。この時に、店長は商品陳列のコツなどを従業員に伝授していきます。

いよいよオープン3日前になると、新規オープンセールの告知のため、近隣800m内の商圏に対してチラシ配布します。最近ではポスティング作業だけでなく、一軒一軒インターホンを押してチラシを手渡しする店もあります。

ちなみにこのチラシにはセール告知とともに、サービス品の引換券もつけます。このため、オープニングセールの集客にも役立ちます。

そして、いよいよ待ちに待った開店です。いったいどのような人が来店するのか。採用した従業員は元気良くあいさつし、接客でミスをしないだろうか。いろいろな気持ちを抱えながら、開店時間を迎えます。

新しくできるコンビニ、消えていくコンビニ。競争が激しいコンビニ業界では、このような様子が全国のいたるところで毎日行われています。
(この記事は2009年11月20日に初掲載されたものです。)