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定期的な測定・分析によるお客さま満足の向上[マーケティング戦略・営業戦略]

今回は私、中野 靖識が担当させていただきます。

今回はお客様満足について考えてみましょう。

流通・サービス業の現場では、お客様満足に関する話題は尽きないものなのですが、プロダクトアウト型の発想が多く、「こうすれば満足してもらえる」というアプローチだけで、そもそも「お客様が何を求めているのか」という視点が欠落しているケースが目立ちます。
メーカーの商品開発がプロダクトアウト型からマーケットイン型に転換しなければならないと言われて久しいにも関らず、現実の販売現場ではまだまだ徹底しきれていないのが実情です。
裏を返すと、現場ではお客様に対して様々な対応に取り組んではいるものの、自己満足的サービスや演出になっている可能性を常に秘めていると言う事もできます。
確かに、実施されている取り組みは一部のお客様からは評価をいただいているかも知れませんが、それは本来お客様が企業や店舗に期待しているもの以外の取り組みをしているだけかも知れません。
つまり、自社に対するお客様思考(お客様の考え方や思い)を踏まえた、自社のお客様満足を生み出す活動になっていないという危険性を常にはらんでいるということを意識しておくべきなのです。
この場合、既存利用者だけの満足を意識するだけでは、ビジネスルデルが弱体化してしまいます。
反面教師的に、自店の「非利用者意向」も理解していく必要があります。

例えば、男性的な色合いの強い流通業では、しばしば「女性客を取り込む方策」が展開されていますが、「現在来店しているお客様に対する対応水準の向上」に留まるケースが見られます。
確かに、環境改善によって「現在の女性利用者」の満足度は向上しますが、自店に来店しなくなったお客様には伝わりません。
現在の利用者は、既存店舗が「行くに値する」と評価しているからこそ来店しているのであって、本当に不満足であれば来店しなくなっているはずです。
既存来店客に対する是正は比較的容易ですが、非利用者になってしまったお客様に対する対応を改善しない限り、真の改善はできないものです。

このように、全方位的な改善を継続していくためには、インターネットを利用したアンケートなど、お客様の声を吸い上げる範囲を拡大して検討する習慣を持つようしましょう。

また、収集努力をされている企業は増えてはいますが、大切なことは収集した情報に対するフィードバックの仕組みを構築することです。
収集したお客様思考をデータベース化し、現場へ反映・還元する仕組みまで構築すること、つまり、お客様思考を反映した内容を、現場における行為・行動の展開~定着レベルまで整備し、営業の仕組みとして組み込むようにしていくことがポイントになります。
お客様を個体として認識して、それぞれに可能な限りベストな対応をするお客様識別マーケティング(One to One Marketing)や、お客様の購買行動を分析し、購買パターンからお客様を掌握し、業績につなげるCRM(Customer Relationship Management)に対する取り組みが多くの企業で取り組まれつつありますが、現場レベルでのお客様満足を追求する仕組みとして整備しきれているケースはまだまだ少ないようです。

定期的な測定・分析なしに、お客様満足を実現することは難しいものです。
日々の活動を通じてお客様は進化を続けますし、営業や店舗への満足に対する要求水準は止まることはありません。
常にアンテナを高くしておきたいものです。

(中野 靖識)