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食品会社はニュースを売れ!

「地産地消」という言葉があります。地場のものを地場で消費していくという意味です。これに対して「地産東消」や「地産都消」という言葉が生まれ始めています。

地域で生産されたものが、東京などの大都市圏で消費される現象の事を言うキーワードです。

このような現象に地域企業のビジネスチャンスを感じています。私の場合は、これを「地産東商」としています。消費ではなくビジネスをするという意味で「商い」としています。

特に私は地域の食品会社様のサポートをしています。果物、お米、お酒などいくつかの案件を手掛けさせて頂いています。
食品会社でなくとも地方の企業が東京などの大商圏に進出する際の参考になるキーワードだと思います。


★地産東商のポイント
1.地域商品の認知度の低さを活かす

認知度の低い企業や商品に出会うと可能性を感じます。みんなが知らないということはそれだけで新しいからです。また、大量生産、大量販売ではないところも実は魅力的です。みんなが持っているものに消費者は飽きています。地域商品には期待感があります。
「美味しいかも知れない」とか「良いかも知れない」という期待価値を創造することがブランディングでは重要ですが、食品の場合で言うと、産地に近い方が「美味しいかも知れない」という期待感があります。

2.PRの手法を活用して、全国メディアに取り上げてもらう
読売、朝日、毎日、産経、日経なの全国紙といわれる新聞には、地域に根ざした商品を紹介するコーナーが必ずあります。それらのコーナーで取り上げて貰うと、問合せが殺到する事があります。私も顧問先でしばしば経験することです。このようにメディアを活用するのが、PRです。新聞の他にも専門雑誌や富裕層メディアなどはとても有効です。

3.ギフト市場を攻略するためには、地元ファンを増やすこと
その地域の人がその商品を全国に広める宣伝マンになるという考え方をしています。お中元やお歳暮のギフト市場を攻略しようと思うと、まずは地元の方にご贈答品として採用して貰うことを考えます。ギフトニーズが増えると送った先の方が気に入って自分でも買ってくれる事があるので、自然と顧客が増えていきます。具体的には地元メディアとの連携を強化するためにテレビCMやテレビパブリシティなどを仕掛けていきます。
(本題とは逸れますが、テレビの効果が下がったと言われる近頃ですが、現時点でテレビに勝る媒体は無いと思います。圧倒的な影響力のあるメディアです。)

4.既存顧客の評価が高いことが大前提
企業が成長していこうと考えるときに方法は4つあります。
1.既存顧客に今の商品を売る
2.今の商品を新しい顧客に売る
3.既存顧客に新しい商品を売る
4.新しい商品を新しい顧客に売る
この4つです。地産東商は2.の今の商品を新しい顧客に売る新規顧客開拓の戦略ですが、その為には1.の既存のお客様から支持を受けている事が前提となります。今、自社の商品を買っくれているお客様の評価をなくして「場」を広げたとしても結果が思わしくないのは明らかです。

5.直販ビジネスを強化する
ブランディングやPRをなぜするか?と問われると、直販ビジネスを強化する事が目的だと応えます。流通や問屋に依存していると経営が安定しないからです。
直接、自分のところでお客様を持つためにはブランド創りが必要になってきます。人口減少時代ですからは何もしないとお客さんは減っていきます。「地域密着だけで本当に良いのか?」という事を考えなくてはいけません。
東京や横浜や大阪にはたくさんの人がいます。いい商品があれば世界中でビジネスが出来るかも知れません。船井総研のお客様には小さくてもインターネットなどを活用して、直接、企業や個人の顧客を開拓しているお客様が何社もいらっしゃいます。

6.広告宣伝の費用対効果を最大化する
東京には多くの消費者が存在しますが、その分、東京のメディアの広告費は驚くほど高額です。それでも、コストに見合ったリターンがあればOKですよね。これを費用対効果と言います。
費用対効果を上げるには、反響を上げるか?コストを下げるか?の2つの打ち手があります。反響を上げるには、広告の表現を改善するだけでは不十分で、商品や企業自体の価値を高める必要があります。つまり、ブランディングです。
コストを下げるには、広告費の大半を占める媒体費や印刷費を下げる事をまず考えます。

それには媒体や印刷の「仕入れ」を変える必要があります。
例えば、新聞広告の空き枠を活用した「つかみ」という手法を取ると驚くほど安く出稿する事が出来ますし、ネット印刷を活用すると印刷費が30%ほど削減出来ます。現在は景気後退局面ですので、コスト削減のご相談が増えていますし、節約型のビジネスが台頭しています。


以上です。

このようなポイントを踏まえると、地産東商が実現出来ます。食品メーカーが強い商品力を持って、ブランド化に取り込むことは、流通に依存しない状況を作る事になり、生活者の方に安心安全で美味しい商品を適正な価格で提供する事に繋がるので、大変意義のある事だと感じています。

特に今は東京に進出するには、絶好のタイミングだと思います。

2009年10月

ブランディング