「URO:Unrefusable Offer(顧客が断れない提案)」構築をどう進めていくのかを数回に渡ってお伝えしてきましたが、今回は最後のステップであるステップ5について触れていきたいと思います。
先ず、これまでお伝えしてきましたステップ1~5までは以下となりますが、覚えていらっしゃるでしょうか。
ステップ1:「営業成果の制約条件(障害となっている原因)を見つける」
ステップ2:「無駄が出ないよう制約条件を徹底的に活用し営業成果を出す」
ステップ3:「さらなる営業成果を出すために他部門との連携を図る」
ステップ4:「顧客の潜在的なニーズを発掘し新規顧客を増やす」
ステップ5:「ステップ1に戻り、新たな営業成果の制約条件を見つける」
ステップ1~4までを通して、自社における営業成果を阻害している真の制約条件を見つけることからはじまり、この制約条件を打破し、顧客にとって断ることができない提案を創りあげるための説明を行なってきました。
この断れない提案により、企業は大きな成果をあげることができるようになります。
しかし、この時に忘れてはならないことは、「制約条件は常に移動する」ということです。
例えば、これまで市場からの注文は非常に旺盛であるにも関わらず、注文が多すぎて納期問題などが頻繁に発生したり、注文を断ったりと、市場からの需要に応えられないといったケースの場合、既存の社内体制、システムの不備、設備キャパシティーの不足といった「方針制約」や「物理的制約」など、社内における制約が営業成果を阻害する制約条件になっていることが考えられるため、社内における制約条件は何かをしっかりと検証し、その制約条件を少しの取りこぼしもなく徹底的に活用し、またその徹底活用を実現するために社内における、その他全てがその制約に従属するためのルールを構築、そして、次のステップとして制約そのものを強化していくことを行なうことで、それまで取りこぼしていた市場からの需要に応えることが可能になっていきます。
そして、制約の移動とは、キャパシティーが増え、顧客への製品やサービスの供給能力の増加(需要<供給)や、顧客ニーズの変化、競合他社の参入、代替品の発生といった状況から、それまで社内に存在していた制約が市場に移動していく現象が現れるということです。
つまり、社内における制約が改善され、顧客への製品やサービスが提供できるようになった後、社内ではなく市場に成果を阻害する制約が移動するということです。
上記の例は、「プロダクトアウト」から「マーケットイン」への移行といった例でも説明されることがありますが、多くの企業において、自社における制約が現在どこにあるのかをしっかりと見極めることがなかなかできていなかったり、例え、ある時期において成果を阻害する制約をしっかりと検証でき、その改善を行なうことができたとしても、その後、その制約の改善に伴って、別のところに制約が移行したことに気付かず、営業の成果にブレーキがかかっている企業も大変、多くなっているようです。
今回一番申し上げたいことは、「営業成果を大きく阻害する制約は、常に動き回り、一箇所に留まり続けることはない」ということです。そして、この制約を打破し続けながら成果を出し続けていくためには、継続的に営業成果を阻害している制約が何処にあるのかを正しく見極め、そしてこれまでは正しかった社内のルールを制約の移動に合わせて、しっかりと変更していくための体制を社内に構築していくことが必要となります。この変更の際は、これまで正しいとされてきた社内のルールや考え方といった方針を変更しなければならないことも多々発生するため、しっかりとした制約への検証体制を構築しなければ、成果に向けた継続的な制約の発見、改善に向けた施策は難しいものとなるでしょう。
皆様の会社におかれましても、自社の営業成果を伸ばしていくための取組みを今一度、見直されては如何でしょうか。自社に継続的改善のカルチャーを根付かせながら、URO(顧客の断れない提案)を構築していく手法にご興味、ご関心のある方は、実際の進め方に関する資料を差し上げておりますので、お気軽にご連絡ください