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現場が指示通りに動かない理由

船井総合研究所の佐竹と申します。

今回は「現場の動かし方」についてお話させていただきます。

これまでのお取引様を拝見しておりますと、社長や事業部長の意図が現場に反映されず、思うような結果を出せないケースが頻繁に見受けられます。

思うような結果が出せない理由は言うまでもなく、そもそも現場が指示通りに動いていないわけですが、ではなぜ現場がトップ層からの指示通りに動かないのでしょうか。

このような状況について、私が関わったプロジェクトの中での共通点について洗い出してみたいと思います。

■ 現場が指示通りに動かない理由

(1)トップ層と現場担当者のモチベーションの差が激しい。
(2)現場担当者のやるべきことが明確になっていない。

(1)は、現場担当者が自身の会社にとっての存在価値を低くみているケースが散見されます。

このことは現場担当者が会社の業績を他人事として捉えており、個人の実績(あるいは個人の業務)の積み上げが会社の実績に直結することを認識できていないことに原因があると思われます。

(2)も(1)と同様に、現状が認識できていない状況で何を目的に日々何をすればいいのか認識できていないケースです。

いずれも現状認識ができていないことが原因となっておりますが、それはトップ層と現場とのコミュニケーション不足が真因と見られ、まずはこの点から地道に解決することが重要です。

以上のようなケースにおいて、私は以下の3点を段階的に実行するよう心がけています。

■ 対応策

(A)トップ層と現場担当者のコミュニケーションを促進する。

トップ層と現場担当者のコミュニケーションを円滑にするために、匿名アンケート、社員ヒアリング、部門・階層を横断したグループディスカッションを必ず行うようにしています。

匿名アンケートは、各人が抱えている問題や、業務に対する些細な愚痴や悩みといった、いわば普段は周囲に言えない本音を洗いざらい把握するために行います。

これを行うことにより、モチベーションを下げている根本的な問題を把握することが出来ると同時に、アンケートにより本音を吐き出させることで、記入者本人の不満を多少なりとも和らげることもできます。

したがって、アンケートはあくまで匿名で行うこと、外部のコンサルタントのみに情報を留めることが重要なポイントになります。

(B)会社の現状と担当者の存在の重要性を認知してもらう。

個人面談で各担当者の努力が会社にとってどのような好影響を与えるかを説明し、理解してもらいます。この時に気をつけて頂きたいのは、ノルマ管理をするのではなく、自社が向かうべき姿と担当者が向かうべき姿との関係性を現場の各担当者の日常業務のレベルで説明して納得してもらうことです。

具体的には自社が目標としている成長ステップを描き、それと同時に担当者自身の成長ステップを描きます。「担当者の成長」無くしては「企業の成長」はなく、企業が成長したときに担当者も成長することを事細かに伝えていくことが必要です。

(C)アクションプランを日常業務レベルで紙に落とす

最後に、(B)の成長ステップを実現していくためのアクションプランを作成してもらいます。

その際に、出来る限り日常業務レベルにまで落とし込んだ施策に落とし込んでもらうことが重要であり、作成した日から取り組み前に進んでいくイメージをもってもらうように心がけます。

重要なのは命令によるアクションプランではなく、担当者自身が自ら実行可能なアクションプランを作成することで、経営への参画意識と義務感をもってもらえたら大成功といえます。

私は以上のポイントを押さえながら、プロジェクトのお手伝いをするように心がけております。皆様の組織におかれましても、プロジェクトの推進時にはぜひご参考にしていただければ幸甚でございます。