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企業倫理と企業ブランド

ある板橋の標識関連の企業では朝伺うと必ず全社員で掃除をしています。その掃除の仕方が驚きます。自分の机周りだけではないのです。床や階段、壁、棚、窓、入口外に至るまで普通の会社の大掃除のレベルを毎朝行っているのです。

だからいつ伺っても隅々まで綺麗です。初めて伺った時社員の方々にこう聞きました。
「いつもこんなにやっていたら大変ではないですか?」
するとこう返ってきました。
「最初はそうでしたね、でも今は当たり前というかやらないと気持ちが悪いというか……、
 何より年末の忙しい折に大掃除がなくなったのはいいですね」
とおっしゃるのです。

その掃除習慣が始まった頃、業績が悪かったそうです。
そこで顧客アンケート調査を行ってみると営業の現場でお客様本位ではなく自社本位が横行していた事がわかったそうなのです。これはいけないと全社で考えを改め仕事のスタンス、お客様の対応の仕方などを多くの事を改善し、そして掃除も始まったそうです。

それから業績は大きく上がり今では超安定企業です。

自社本位の時代があったなどとは微塵も感じさせない社員の方々の躾・マナーの行き届いた対応が大変目立ちます。

他の企業ではこんな事がありました。
エントランスで私が約束の方を待っていると多くの社員の方が目の前を通りました。

すると1人残らず全員が「いらっしゃいませ」とか「こんにちは」と挨拶をしてくれるのです。
その後その企業の社長に聞きました。
「皆挨拶をしてくれますけどあれは何か指示を出しているのですか?」。
すると社長の答えはこうでした。
「いや何も指示なんてそういうことではしていませんよ、自然とやっているのではないですか」。
その話の後打ち合わせをしながらその企業の組織図を見ることになりました。そこで又驚きました。

普通組織図は一番上に社長と役員会が書いてあるはずです。そこから部、課などと下に下りてくるイメージかと思います。
しかしその組織図は違いました。社長が一番下に書いてあります。一番上にはお客様と書いてあります。そしてお客様と接している営業現場の社員がお客様の下、つまり社内では一番上に書いてありました。見た瞬間それが気になりました。

何故なのか聞いてみると社長がこう答えました。
「我々経営層がお客様より上にあるなんてダメですわ、そのお客さんと最前線で接している社員より上にあってもダメですわ、
主役は彼等なんですから。彼等を後方支援するのが我々経営層だと思っています。だから社長は一番後ろ、一番下でいいんですわ。」
素敵な考え方だと思いました。

入口で全社員が挨拶が徹底されている理由もわかりました。こういう社長の考え方が現場にも伝わり、自分達最前線の社員は会社の代表だという意識が自然と芽生えているのだと思います。

他の企業より明らかに礼儀正しく、一人一人が凛としていますが自分達ではおそらく気付いていないであろうと思いました。
そして社内気風を乱す行いがあった場合はどんなに出来る社員であろうと退職を辞さないという社長のスタンスが緊張感を作り出しています。任せることと、譲れないこと、このラインが仕事のスキルではなく人間としての倫理観に軸が置かれていると感じた社長との出会いでした。

この企業はこの社長になってから業績は約倍に伸び、今では130億円を誇るほどの企業に成長しています。

企業倫理と業績は直接的な相関性はないのかもしれません。
しかし見えない部分でスキルやノウハウ以上に大きな効果を生み出していると感じます。

企業倫理が企業ブランドであり、永遠に保持、成長させていかないといけないテーマであると感じます。