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台頭する中国市場のニューリッチ層を攻略せよ[マーケティング戦略・営業戦略]

今年はグローバル案件に力をいれておりまして、3月あたりから毎月のように上海、香港、マカオで現地企業との商談を行っております。

上海を中心とした華東経済圏、香港、広州を中心とした華南経済圏の経済成長はまだまだ続きそうですね。少なくとも2010年の上海万博が終わるまでは今の成長ベクトルは鈍ることはないのではないでしょうか。

中国のショッピングモールや複合商業施設などの開発は、外資の流入が加速してきています。特に華僑経済のつながりで、香港の企業、台湾の企業、シンガポールの企業が中国の大都市の施設開発を続けているのが顕著に続いております。

最近、私のところには香港やシンガポールからの相談が増えてきております。日本で有名な店舗(流通チェーン)や飲食店を積極的に誘致したいとのお話がほとんどです。

最近では急速に裕福になった中国人の富裕層(全人口の3%くらいですが、4000万人くらいはいるので巨大な消費マーケットになっております)が日本に来る機会も増えておりますので、日本のブランドのことも十分に認知しております。
これまでは、ブランド名先行型でヴィトンやプラダ、アルマーニなどのヨーロッパブランドに人気がありましたが、最近の中国の消費のニーズはライフスタイル提案型の店に人気があるようです。

日本のブランドであれば、フランフランなどが成功している例ではないでしょうか。少し前ではスターバックスが上陸して、アメリカ流のコーヒーを楽しむ文化が定着しきってしまいました。

最近では富裕層の次に来る、ニューリッチ層の消費が非常に元気です。

この層は20代、30代の若年層が中心で、欧米企業や日本企業に勤めているホワイトカラーが中心になります。国営企業に勤める親の世代と比べると、明らかに給料も高いし、インターネットの普及で海外の文化へのアンテナが非常に高いといえます。

日本の流通業、飲食業が中国で成功するためには一番にマーケティングすべきターゲットではないでしょうか。海外の商業施設の開発計画をみていても、明らかにニューリッチ層を意識した売場づくりに注力しています。

ただ、日本や韓国の若者にくらべると、まだまだ消費の感度が高くないのが特徴といえます。本当にいいもの、センスの良いものを判断するだけの、消費生活にまだ慣れきれていないといえます。

こういった層へのマーケティングの仕掛けは、ライフスタイルを提案していくことです。

言い換えれば、単に商品を推奨する“モノ”軸の強い売り方ではなく、商品にまつわる世界観や商品を組み合わせた生活そのものの提案を意識した、“コト”軸の強い売り方が求められます。

日本企業の中国市場への進出を検討する際には、こういったニューリッチ層の購買行動をどこまで分析できるかが鍵になってくるのではないでしょうか。