一般的に社内プロジェクトは、テーマ別の CFT(クロスファンクショナルチーム)が複数形成され、それらのチームを取りまとめる形で PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)が進捗管理を行います。
各 CFT は、担当テーマごとに適性のあるメンバーを部門横断的に複数の部門から5名から7名程度を集めて組成します。
このように社内で CFT を組成して社内プロジェクトを推進するメリットは以下の3点に集約することができます。
(1)経営者のみでは導き出せなかった結論を得る事ができる。
(2)プロジェクトメンバーが経営者意識を持ってプランニングすることができる。
(3)現場意識・顧客志向によるアクションプランをアウトプットできる。
このようなメリットを求めて社内プロジェクトを立ち上げる企業は多く存在しますが、中にはプロジェクトを上手く回すことができずに業務が途中で頓挫してしまったという経験を持つ企業も少なくありません。
私が以前お手伝いさせていただいた健康食品メーカーの X 社も、社内プロジェクトの失敗経験を持っていました。当社がプロジェクトの支援をさせていただく際に経営幹部の方からお聞きした話によると、
● そもそも何故プロジェクトが発足しているのかを認識できておらず、
● 通常業務との折り合いがつかず、単なる業務負荷となっており、
● 最終的にどのようなアウトプットとなるのかがイメージできていない
ことが失敗要因となっていたことがわかりました。
このような状況を踏まえ、当社は X 社の社内プロジェクトを推進するにあたり、
(1)プロジェクトメンバーと現状の問題点を洗い出し、そもそもの真因の追究をはかることで、プロジェクトの必要性を再認識してもらう。
(2)(1)の真因を解決するために各々の通常業務との関連性からタスクチームをプロジェクトチーム内に編成することで、通常業務との関連性を認識してもらう。
(3)この真因が解決されることによるメリットの整理をすることで、アウトプットをイメージしてもらう。
という3つの対策を織り交ぜてお手伝いをさせていただきました。
これらの取り組みが功を奏し、約半年に及ぶ X 社のプロジェクトは無事にカットオーバーすることができました。プロジェクトの報告会終了時に、参画メンバーの中には涙を拭うメンバーもおり、X 社が従業員をはじめとして大きな変革に向かう瞬間を私は拝見することができました。
また、社長をはじめとした取締役の方々も社内プロジェクトで得られた結論が予想以上に優れたものであったことに感動されていたのも、A 社で働くメンバーの存在が大きくなったように感じました。
皆様の会社におかれましても、従業員をはじめとした会社全体の躍進を図られてみてはいかがでしょうか。