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販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

初売り以降の小売業動向を見る限り、初売りの一時的な集客増加でムードは多少よくはなりましたが、客単価減少傾向は止まらず、多くの事業者の方々が中旬以降に極めて厳しい状況に陥っています。

モノが売れていない小売業では店頭価格を簡単に上げるわけには行かない状況が続いており、いよいよコスト削減できる領域が縮小しつつあります。そうは言うものの、ある程度の販促費を投入しないと、前年実績すら維持できない昨今では、費用対効果を今まで以上にシビアに見ていかざるを得ません。

こんな時ほど、原点とも言える、販売促進プロセス全体を検証し、測定・分析・評価の一連の流れを通じて改善していくよう努めたいものです。

■ 販売促進プロセスをマネジメントする

販売促進は、消費者の行動変化によって効果を直接的に測定できることはよく知られていますが、単に売上)かっこかっこ実績や粗利実績評価、消化数量評価にしてしまうことが多いものです。一般的な販売促進プロセスのイメージは、計画立案から始まり、実施、測定、分析、評価、フィードバックのサイクルになっています。基本プロセスにPDCAサイクルを当てはめてみると、プロセスごとの役割がはっきりします。(図1参照)

237_2販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

それぞれのプロセスにはサブプロセスがあり、チェーンのように繋がりあいながら、同じように循環している構造になっているのです。

販売促進プロセスをマネジメントしていく上では、常にチェックをし、次のアクションを変化させていくことを前提として、実施後の評価の仕組みを事前に組み立てておくことがポイントになります。そのためには、計画立案が最重要と言えるでしょう。しっかりした事前計画を策定することで、実施がうまくいき易くすることは当然として、その後の測定、分析、評価をきちんと実行し、次のアクションにつなげていく事が容易になります。

計画立案のサブプロセスを見ると、さらに明確になります。例えば、店頭における催事計画を立案することを前提として、サブプロセスを見てみましょう。(図2参照)

237_3販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

■ ターゲッティングとニーズ仮説立案

まず、最初に考えないといけないのはどんな顧客を狙うのかというイメージを固めるターゲッティングです。催事には色々なパターンがありますが、成功するためには呼びたいお客様をはっきりさせることが必要です。全部の客層を対象にしたくなるのは心情的に理解できますが、それでは効果的な集客イベントや催事を企画することは難しいとお考えください。

最近のカーディーラーの催事が変わってきたことにはお気づきでしょうか。家庭内で父権が強かった時代は、訪問販売を中心として決定権者である「お父さん」だけをターゲットにしていればよかったことはよく知られております。車種やバリエーションも男性的で、機能中心のアピールがされていたことを記憶されている方も多いことでしょう。

ところが最近は、女性客の発言権が強くなり、家族で決めるケースが多くなっています。我が家もそうなのですが、「奥さん」が同行してくれないと決められなくなっているのです。当然、店舗における集客イベントはこのような要素を加味していかざるを得ないことは言うまでもありません。

以前、ホンダディーラーのチラシ企画に、「来場記念プレゼント、北海道産じゃがいも3kg!」という企画がありましたが、「じゃがいもが欲しくて車を買う顧客なんていない」と思った方はすでに頭が固くなっている証拠です。夫婦やファミリーが来場しやすいムードを作り、女性客に「同じ行くならココがイイ!」と思わせることで、カップルやファミリー客の来店を増加させることになり、結果的に購買チャンスが拡大するという発想が重要なのです。

■ 各種目標と効果測定指標の設定

ターゲッティングによって顧客ニーズの仮説が整った後に、各種目標の設定(売上、集客、成約数等の具体的数値目標)をしていくことになりますが、この時には当然過去の実績を整理しておかなければなりません。ベースとなる過去実績に基づいて、目指すべき目標を設定し、店舗全員で共有化します。

目標が設定された後に、それらを測定するための管理指標を設定します。管理指標を決める上では、指標そのものを結果系、プロセス系それぞれを組み立てつつ、各指標の管理責任者と管理タクトを決めることが必要です。(表1参照)

237_4販売促進業務における測定、分析及び改善の原点

どの指標に誰が責任を持ち、どのくらいのタクトで管理していくべきなのかを明らかにしないと、現場でのアクションにつながりません。よく、「指標値を真面目に拾ってくれない」「報告がルーズ」「途中で止めてしまう」などといった声をお聞きしますが、そもそも計画段階で、管理責任者や管理タクトを決めていないことが多くあります。また、管理責任者を明確にするからこそ、その責任者に対して収集メリットを理解・納得させる動きができます。

計画段階から、現場に対する理解・納得を進めていかないと、うまくいかなくて当然とお考えください。
(この記事は2009年1月27日に初掲載したものです。)

中野 靖織
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/2世育成のための経営戦略ノウハウ・事業承継
戦略の立案から展開、定着まで、経営全般にわたり幅広いコンサルティングフィールドを持つ。主にコンシューマー向け企業の現場における具体的な活性化業務に従事し、メーカーの営業戦略立案、展開サポートに多くの成功事例をもっている。 JRCA登録QMS審査員補。