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あなたは大丈夫!?~相続トラブルを避けるポイント~

台風が通過し、梅雨明け宣言が出されると同時に猛暑に突入し、ようやく夏らしくなりましたが、夏用製品の一部はメーカーの生産調整が入っているため、気持ちよくモノが売れていくとは限らないようです。天候については予測も発達しているにも関わらず、現場がそれに完全にあわせて対処できることはまずありません。これは小売業だけの問題ではなく、メーカー、卸と立場の異なる利害関係者が複雑に絡み合っているからですね。

法人内の親子関係、人間関係についても同じような状況が見られます。個々に備えはしているつもりであっても、周囲との関係でうまく進まないこともたくさん発生してしまうのが現実です。相続や事業承継に関しても、同様のことが言えると考えられます。司法統計年報によると、相続に関するトラブルは、「遺産1000万円強5000万円以下」が最も多くなっています。

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また、総件数が年々増加していることも、相続が発生するまで無関心であったことを示しているように感じます。生前の話合いや、全員の理解が得られる状態での遺言等、後からこじれる元を断つのは被相続人(財産を残して亡くなった人)なのです。「我が家は財産が少ないから大丈夫」という考え方そのものが間違っていると考えるべきでしょう。事業承継においても、被相続人である現経営者が動かないケースが目立ちます。

自分が死んでからのことになりますので、後は子供達で好きにすれば良いとお考えの方も多いと思いますが、相続人である次期経営者は心中穏やかではありません。 相続人が一人であれば良いでしょうが、多くの場合複数の相続人がいらっしゃいます。後継者を指名していたとしても遺留分の問題が発生することがありますし、明確に後継者を指名していなければ、混乱を招きます。自社株式についてはある程度処理をされている方もいらっしゃいますが、不動産などの固定資産については、現経営者が地代、家賃をもらっていたりするため、処理が遅くなりがちです。

資金の借り入れをする場合には担保が必要になりますが、時期経営者が融資を受けようとした時に、資産の裏づけがないと交渉が難しくなります。現経営者の多くは、頑張って資産形成をしてきた自負がありますので次期経営者にもそれを要求するものですが、当時とは比べ物にならないほど、事業規模が大きくなっていることをお忘れです。担保になる資産背景があってこそ、個人で賄いきれない規模の資金調達交渉を有利に進めるができると考えましょう。

このように現経営者(被相続人)と次期系絵者(相続人)の感覚のズレが、後々の問題を引き起こす元凶になっているものです。「少ないから大丈夫」ではなく、元気なうちに次期経営者を含む相続人の理解と納得を作り出すことが、現経営者の務めと考えましょう。経営幹部の方々がこのような問題に口出しをするのは勇気が要りますが、会社を適切に残していためには誰かが首に鈴をつけなければなりません。強い意志を持って対処していくことをお勧めします。

中野 靖織
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/2世育成のための経営戦略ノウハウ・事業承継
戦略の立案から展開、定着まで、経営全般にわたり幅広いコンサルティングフィールドを持つ。主にコンシューマー向け企業の現場における具体的な活性化業務に従事し、メーカーの営業戦略立案、展開サポートに多くの成功事例をもっている。 JRCA登録QMS審査員補。