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一番の実力

11月7日~12日のグレートカンパニーアメリカ視察セミナーでの訪問企業に、インテルとシスコシステムズが含まれていた。いずれも、言わずと知れたITのハードウェアのトップ企業であり、インテルはCPUなどの集積回路、シスコシステムズはルータなどのネットワーク機器で有名である。

この2社に共通している点として、毎年売上の10%を超える研究開発投資があげられる。売上の10%もの開発投資ができる企業は限られている。それを、毎年続ける理由は、「時代のスピードについていくため」である。インテルについては、ムーアの法則の一つと言われている「集積回路の集積度は1年で倍増し、価格は1/2になる」という原則を前提に、他の企業に先駆けて、常に新技術を開発している。

すべての工程を自前で行っているため、その分、当然開発投資金額は大きくなるが、開発スピードも速い。シスコシステムズにしても、テクノロジーのイノベーションを行うためには、インハウス、つまり自社内での開発が必要としており、コア技術はすべて自前で開発している。
その一方で、販売となると、別である。インテルにしても、シスコシステムズにしても、自社のコア技術に関しては完全に自社内に取り込んでいるが、自社の周辺技術については、他社と一緒に取り組んでいる。そもそもインテルのCPUが世界でこれだけ圧倒的なシェアを持つに至ったのは、CPUを活用する技術を台湾などの企業に開示して、自由に使うことを認めたからである。これをインテルでは、ホリゾンタル(水平)パートナーと呼んでいる。シスコシステムズの場合も、グローバル戦略では、自社と競合する技術をもつ企業と一緒になって取り組んでいる。日本では、富士通がシスコシステムズのルータを販売していることは有名である。

1番の企業に共通していること、それは、常に、技術にイノベーションをおこし、一旦開発した技術は、惜しまずにどんどん活用し、競合となりうるパートナーにも積極的に公開していることだと思う。他社に技術を開示したとしても、常に1番企業で有り続けるために、次の技術イノベーションに対して大型投資を続けている。

同時に、1番の企業に共通して言えることは、人を大事にしていることである。インテルでは、One on Oneミーティングと呼ばれる制度があり、望めば社員が自分のボスのボスのさらにボスといった普段直接話ができないような相手とのミーティングを行うことができる。マネージメントクラスでは、このOne on Oneミーティングに2週間毎に10時間以上を費やしているという。シスコシステムズには、ネットワーキングアカデミーというアカデミーが有名である。このアカデミーは、物理的には存在していない。

しかし、人々がノウハウをシェアし、学生もシステム設計やメンテナンスを学ぶことができるプログラムとして、全世界に展開している。シスコシステムズの文化が、全世界での人材育成を促進しているということができる。
1番企業にとって、競合企業との相対的な位置づけは重要ではない。常に新しいものを生み出し、それを最もふさわしい方法で広めること。そのために、重要なのは、それを開発し、広める自社の人材であり、その人材に対する金銭的・時間的な投資も惜しまない。
今回の視察で、1番企業が1番企業たる所以を、強く感じることができた。