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戦略はあなたがつくる?実行戦略の極意?

こんにちは、船井総合研究所の川原慎也です。

最近もっとも注力しているコンサルティングテーマとして“戦略策定”があります。と言っても、皆さんが想像されるようなコンサルタントが策定する戦略ではなく、クライアント企業の社員の方々に自ら策定していただく戦略です。そこでの私の役割は、ファシリテーターということになります。つまり、私が考えに考え抜いて戦略を策定するのではなく、実際に戦略を遂行しなければならないクライアント企業の社員の方々に知恵を振り絞っていただき、自分達で戦略を策定していただく、といった流れです。今回は、成果を上げる戦略の条件をテーマにお話したいと思います。

まず、なぜファシリテーターというスタイルをとり始めたのかという理由からお話しましょう。実は私自身は、戦略策定時に徹底的に考え抜くフェーズこそがコンサルタントの醍醐味であると思っていますし、そのフェーズがもっとも充実する瞬間でもあります。
しかしながら、我々が求められている本質とは戦略策定ではなく、やはりそれによりもたらされる成果(売上・利益の向上)ということになるでしょう。勘違いしないでいただきたいのは、私自身が成果の上がらない戦略を策定していると自己否定している訳ではないということです。私が策定する戦略が、クライアント企業の置かれている状況や、成果を阻害する要因等を考慮して練り上げたものであることは、自負するところでもあります。ただし、そこまで戦略を練り上げても実行する段階において、様々な想定外の状況が起こり得るのがビジネスの現場です。
これまで私が主導で戦略策定のサポートをさせていただいたクライアント企業のなかでも、成果を上げている企業では、そういった想定外の状況を乗り越えようと必死に踏ん張った社員の存在があってこそ、戦略は遂行されていきます。そのような点まで踏まえると、「自ら策定した戦略を、自ら実行する」という流れをつくることは、「障害が出てきたら自ら乗り越え、成果を出す」ための重要なファクターではないかと思うのです。

さて、上記の論点を考慮するとコンサルタントは不要なのかと思われてしまいそうですが、戦略策定の現場におけるファシリテーターとしてのコンサルタントは従来よりも高いスキルが必要となります。なぜならば、コンサルタント自身が動き考えるのではなく、クライアント企業のメンバーに動き考えていただくことを求められるからです。
そのために必要なサポートが2つあります。1つは異なる現場の方同士の議論を活発化させるためのサポートであり、もう1つは現場視点から全社的視点へとメンバーの立ち位置を変えるためのサポートです。

なぜこの2つのサポートが重要になってくるのでしょうか。それは、上記のサポートを行うにあたって、それぞれ特定の阻害要因が非常に発生しやすいためです。

1つめの現場の方同士の議論活性化を阻害する要因としては、個々のメンバーが「戦略策定のプロジェクトだし、部署も違う人の集まりでこんなことは言うべきじゃない」というように身構えたり、決めつけたり、あるいは知らなかったフレームワーク等の知識に振り回されたりといったことがあります。

以前から、ポーターの5フォースに代表される戦略策定のフレームワーク等々については、状況を整理するための枠組みのひとつでしかないと伝え続けてきました。
しばしば見受けられる間違いのケースとして、まだ勉強中の若手コンサルタントがフレームワークの項目を埋めて整理することで、満足してしまうということがあります。これは結果として、項目を埋めること自体が目的となってしまっているからです。
しかし、戦略とは、一旦整理した現状からさらに考え抜いていく過程を経て策定されるものです。よって、戦略を策定するツールでしかないフレームワークの是非を問うことに何の意味もないのです。

戦略と聞くと身構えてしまい現場視点をなかなか机上に出せない方々も、そのような話をしながら「ではこの会社で考えると・・・」と話を展開していくことで、自由闊達な議論をする姿勢へと変われます。つまり1つめのポイントをクリアすることができるのです。

2つめの全社的視点を阻害する要因としては、「なんだかんだ言っても自分の所属する部署の論理に固執してしまう」といった部分です。この部分最適の論理を崩すには、まず敢えて組織としての各部署の論理を振りかざしてもらうところから入ります。つまり、「自分の部署ではこう考えている」という視点です。しかし、自部署の論理を各部署が貫けば、戦略は遂行されないことが理解されるでしょう。このように、いったん部署間のカベやしがらみを出し切ってしまうことで、全社的視点で考えないと問題が解決しないと理解させるステップが必要となります。
このステップを踏まえて、問題解決のテクニックや全体最適の視点を伝えていくことで、立ち位置を変える必要性を認識してもらうのです。

こういった活動は、当然コンサルティングファームの人間が主導で進めるよりも時間がかかります。しかし、会社の将来を左右するかも知れないという重大な責任の裏にある最高のやりがいを、携わったメンバーの方々は感じることができるのではないでしょうか。
メルマガ読者の皆さんも、ご自身で立案された企画に対して「何としても成功する」という強い思い入れを経験されたことがあると思います。もしそうであるならば、実行するメンバーの思い入れがベースにある戦略であれば成果に結びつく可能性が飛躍的に高まるということをご理解されるのではないでしょうか。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。