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『少数だからこそ精鋭になる』~ヤマトホールディングス瀬戸会長の言葉に思うこと!

“少数精鋭”という言葉がある。

もともとの意味は、「人数は少ないが、優れたものだけを揃えること」ということだ。

しかし、ヤマトHDの瀬戸会長に言わせると、「少数だからこそ精鋭になる」ということらしい。

現在ヤマトでは、基本的にエリア担当制で7~8名のチームを組んで拠点運営をしており、
その位の人数だからこそ、所属するメンバーの仕事に対する責任感が増し、精鋭化するということだ。

かくいう私ども船井総合研究所においても、チーム単位のマネジメントを重視しており、
人数の多いチームで7~8名、少ないチームは3名という組織で動かしている。

それぞれのチームは、チームリーダーが中心となって運営しており、
売上、粗利目標はもちろん、営業利益まで責任を持って管理する体制になっている。

よって、もちろん電話やFAXなどの通信コスト、DMやウェブサイトなどの販促コスト、人件費コストなどのコストもチーム単位で管理されている。

どんな効果があるかと言うと、会社全体の売上目標に占める個人の売上目標は微々たるものだが、チームの売上目標に対する個人の売上目標が占める割合は(平均約20%と)当然高くなる。

コストに関しても、例えば営業活動における交通費などがチームのコストとして計上されるため、
もしも受注に至らなければ、かかった経費は全てマイナスだ。

自分自身にかかっている人件費は当然わかるので、労働分配率(稼いだ粗利額に対する人件費の比率)を想定すると現状の貢献度は把握できる。

つまり、少数の管理体制になると個々人にかかる責任が数値的にも大きいものになるし、
何か失敗をしたときにメンバーにかかる負担も直接的に感じることになる。

だから、自ずと精鋭化していくという考え方は間違ってはいない。

長引くデフレ環境が大きな要因だとも思うが、
中小企業なのにいわゆる大企業病にかかってしまっている企業が増えてきている現在、
その打開策として管理する単位を小さくする(少数精鋭化)ことにより一定の効果を出せる会社は少なくないはずだ。

ただし、十分に気をつけてもらいたいポイントが2つある。

1点目は、権限委譲。

よくありがちなのが、数字責任は負わせていながら、殆どの意思決定権限を上層部が握っており、結果として現場の士気が上がらないケースがある。

ヤマトがうまくいっている要因として、「セールスドライバーがお客さまのために良いことだと考えたことは実行しても構わない」という、思い切って現場に委ねる姿勢があることを忘れてはならない。

今ではどんな運送会社でも取り扱っている“スキー宅急便”や“ゴルフ宅急便”といった商品は、その殆どがヤマトによって仕掛けられたものであり、その発案は現場からの声なのだ。

2点目は、評価制度。

数値実績管理をベースにすること自体に大きな問題は無いが、それがいき過ぎるのは良くない。

なぜならば、評価となるとその運用は1年、あるいは半期といった括りになってしまう為、
例えば中期的視野で挑戦する(コストをかける)ような取り組みが出来なくなる可能性がある、、
つまり失敗すると自分はもちろんチームにも評価面で迷惑をかけてしまうという思いが、ブレーキをかけてしまうわけだ。

よって、仕事の特性にもよると思われるが、失敗を通して成長を促したいという思いがあるのであれば、バランスのとれた評価方法を採用すべきである。

かの山本五十六もこんな言葉を残している。

「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば人は育たず」

「少数だからこそ精鋭になる」。是非とも、上手に取り入れてみてもらいたい。

川原 慎也
株式会社船井総合研究所 上席コンサルタント
経営者・幹部様向け/攻めるPDCAマネジメント・顧客満足度アップ
外資系自動車メーカーにて営業、マーケティングなどを経験したのち、1998年船井総合研究所に入社。年商1兆円以上の大手企業から社員3名の零細企業に至るまで、企業規模や業態を問わず幅広くコンサルティングを行っている。 PDCAを切り口に現場の行動に変化をもたらし、企業を新たな成長のステージへと導くコンサルティングが近年高い評価を獲得。