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不動産業界2008年を乗り切る成約率アップのポイント

こんにちは、船井総合研究所の村中です。

今回は成約率アップのポイントについてお伝えしたいと思います。

不動産業界全体として、個人住宅マーケットを捉えた場合、マクロ環境からもご存知の通り、フロービジネス(新築住宅の開発)の限界は目に見えています。その為ここ数年、急激に大手をはじめ各社がフローからストックのビジネスへ軸足を変化させる傾向が強く出ています。

不動産仲介業はそもそも参入障壁が低い為、現在は不動産市場全体の動きが更にそこに追い討ちをかけている状態です。またこのことから、他の業界に比べて、新規の参入や事業の拡大などが多く見られます。

ここ2ヶ月ほどの間にも下記の通り、様々な企業(住宅・ディベロッパー、総合不動産企業等)による業務拡大や新規参入・提携等があります。

<不動産仲介事業参入事例>
株式会社不動産経済研究所「不動産経済通信」より

2008年3月から……、

・東栄住宅が戸建の買取再販・賃貸に進出(分譲は仕入を抑制、在庫処分を優先)
・野村不動産アーバンネットが法人仲介を強化・拡充
・東急リバブルが新たに売買仲介店2ヶ所開設 等

市場特性上、「地域密着性」を求められること、また「規模の経済」が効かないことなどから、競争が激しく、特に仲介会社は一般に商品力で勝負することが難しい為、このような時代においては、マーケティング発想の転換が求められます。

つまり、「企業の内面」を「ES」を通じて「人的」に「顧客リピート・ 紹介」につなげていく事が、これからのマーケティングの最重要課題です。

集客数が伸び悩み、ネット問い合わせによる顔の見えない営業、更に追客スパンも長期化する中では、ついつい課題を地域やお客様のせいにしてしまいがちで、本質的な課題に気付きにくい傾向があるようです。

以下、売上を上げる一番の基本であり、コアである「成約率アップ(特に初回接客における3つのポイント)」です。
● 初回接客の中ではお客様に不動産会社を選ぶ際の判断基準をお伝えすることが重要である。

⇒ 自社と他社との差別化を行い、お客様に再び戻ってきていただける確率を高めなければならない。

従来型営業マンの発想

良い商品(物件)がないから売れない! 売れる売れないはモノ次第である。

そもそも商品での差別化が難しい為、他社との差別化ができない。

業績を拡大している企業共通の成功要因として、

(1)ストーリー営業のスキルアップ

「生活シーン」「ライフプラン」「コンセプト」を売る共感営業、ストーリー営業のスキルアップの徹底とアプローチブックのマニュアル化。

(2)中長期客の早期確保と囲い込み

「不動産情報会員」制度によってそのうち客の早期確保と囲い込みを実現(例:新着情報メールをスピード配信、ニュースレターでイベント集客)

(3)見込み客へのデータベース営業

物件情報整理・マッチング・情報誌発送・メール配信等により、営業活動をサポート

等が挙げられる。

商品の説明やスピード提供はもちろんだが、全ての販促や営業活動の中で、自社の企業理念や強みに基づいた”他社との違い”を打ち出していく。

エンドユーザーに「この会社はここが違う!」「この会社に頼むとこんなメリットがある!」と伝え抜いてはじめて「差別化」であると認識することが重要。

社内で認識しているだけの自己満足な強みでは差別化要素となり得ない。
● 差別化手法は2種類あり、1つは「モノによる差別化」、もう1つは「考え方による差別化」である。

⇒ 今の時代は、考え方による差別化の方がより望ましい。

従来型営業マンの発想

即案即決が基本!「すぐに決めなければなくなりますよ」的発想

衰退期においては、エンドユーザーは多くの情報や選択肢の中から選んでいる。他社との差が明確に伝わらないと集客が急激に減少する時代である。

会社としての考え方をしっかりと統一し、お伝えしていく。

モノによる差別化(物件の立地、工法、断熱、換気、仕様などによる他社との違いや事務所やショールームの綺麗さ、アフターメンテ体制などについての訴求)と、考え方による差別化(「なぜ当社が案内時にこうした説明にこだわっているのかと申しますと……」「なぜ、当社がショールームを非常に大事にしているのかと申しますと……」)を組み合わせることにより、自社と他社の違いをお客様に理解して頂くことが重要である。
● マニュアルとは、新人をある一定レベルに教育するためのものではなく幹部・リーダークラスにマネジメントのやり方を教えるためのものである。つまり営業力を標準化するための教育基盤を作ることが重要である。

従来型営業マンの発想

売れないのは経験とカンそして根性がないからだ!

教えてはいるけれど部下が動かない、やる気がないから売上が上がらない。

いつまでも経っても売れないまま

一部のトップセールスや戦力化人材が営業組織を支えており、新人や非戦力人材などの赤字社員のロス分をカバーしている状態では、今後の成長スピードが鈍化する恐れがある。その為、売れる営業が育てられるマネージャーではなく、育成のための仕組みが必要となる。

自社の標準的なコンサルティング型営業プロセスを構築し、顧客タイプ別のストーリー作成や営業ツールなどを作成することが重要である。
今回ご紹介した3つのポイントは、成果を上げている企業は当たり前のように実践しておりますが、その「当たり前」のことすら実践できていないことに気が付かず、新たなチャンネルや発想を求める企業が多いのも実情です。

昨今の厳しい状況下の中で強くお伝えしたいことは、「当たり前」のことを徹底できた会社が勝つということです。言葉を変えれば、今この市況の中でも業績を伸ばしている会社の成功要因は、「当たり前」のことを徹底しているだけといっても過言ではありません。

今一度、自社のやり方を根本的に振り返り、まずは幹部の方々に本質的な理解を促し、改善していっていただければと切に願います。
(この記事は2008年5月17日に初掲載されたものです。)