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サステナビリティとダイバーシティ

現在船井総研のグレートカンパニー視察セミナーで米国を訪問している。ネット大手企業のグーグル、シスコシステム、インテル、セールスフォース・ドット・コムや、3Dアニメのドリームワークアニメーション、パタゴニア、ディズニー・インスティチュートの研修など米国のグレートカンパニーから学ぼうという企画である。

初日の日曜日は、企業は休みのため、店舗を訪問。まずはレッド・ロブスターで有名なダーデンレストランで食事をしながらマネージャーからの講演を受けた。レッド・ロブスターの社員の3人に2人が、学生時代のアルバイトからそのまま社員として入社しており、講演をしてくださったマネージャーのアンドレアさんも、学生時代のダーデンレストランでのアルバイトを経て卒業後にダーデンレストランに入社している。大学生がそのまま就職したくなる程、職場環境のいい飲食店であることを表している。

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三件目として訪問したアウトドア用品専門店であるREI(リクレーション・イクイップメント)でも、店長からの講演を受けた。ツアー参加者150名弱に対する堂々たる講演は、自社に誇りを持っていることを感じさせた。REIの組織は生活協同組合。消費者からの出資金によって成り立っており、毎年利益の10%を出資者である消費者に対して還元している。また、従業員はいずれもアウトドア愛好家であり、アウトドアを愛する顧客にとっては、アウトドアに関する様々なアドバイスをくれる先輩のような存在である。

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ダーデンレストランにしても、REIにしても、共通しているのがサステナビリティとダイバーシティである。サステナビリティとは環境に対する継続性。地球環境保護のための活動を重視している。地球環境保護といえば、二酸化炭素排出量の削減や海洋汚染の防止といった内容が想起されるが、それぞれの企業が、それぞれの事業に関連して地球環境保護を意識している。例えばダーデンレストランに関しては、環境保護基金への寄付といった活動も行っているが、自身の事業のためにできることとして天然の漁獲ではなく、養殖を強化し、資源の枯渇を防いでいる。REIに関しては、収益性よりも環境保護の観点を重視した品揃えとしているが、これは収益を追求する民間企業体ではなく、事業に共感する人々からの出資により成り立つ生活協同組合としての性格だからなせることだという。
ダイバ-シティに関しては、いずれの企業も、民族や性別などで従業員を一切差別や区別をしないという点で徹底している。昇進のための客観的な評価項目が設けられており、個人のバックグラウンドに関係なく、成果を残した人材がマネージャーとしてのポジションにつくことができる。そして、ダイバーシティを通じて、地域社会との交流を深めていくということも、重要な視点としている。海外からの移民など様々なバックグラウンドを持つ米国では、ダイバーシティを尊重することが大変重要なのだという。

ダーデンレストランにしても、REIにしても、ファーチュン誌の働き甲斐のある会社100社にランクインしている企業である。働き甲斐のある会社とは、すなわち、従業員が誇りを持てるような会社であり、そのためには、福利厚生だけでなく、社会的な意義が重要となる。

フォーチューン誌の様々なランキングの中でも、特にこの「働き甲斐のある会社」という基準が重視されていること、そしてその働き甲斐のある会社にランクインしている企業がいずれも、こういったサステナビリティとダイバーシティを重視していることから、米国企業がこれまでのような短期的な収益を目的とした企業活動から、個人を尊重し、社会を尊重し、地球環境を尊重する企業としてのあり方に大きく変わってきているということを知ることができる。そしてこの動きは、こういった、グレートカンパニーと呼ぶにふさわしい企業と付き合っていくために、今後必要な条件となっていくことは間違いない。

これまでは、企業は収益を拡大するために、サプライヤーに対しては、コストダウンを求め、顧客に対しても、安くて、品質のよい製品を提供することを重視してきた。しかしこれからはそういったことよりも、その企業がどのような信念をもって社会に貢献している存在であるか、ということが重視されるに違いない。そういった観点からは、日本企業は、まだまだこういった要素は弱いといわざるを得ない。

サステナビリティに関しては、大企業だけでなく、中小企業が、自社の事業を通じて、どのように地球環境保護のための貢献ができるか、真剣に考えていかなければならなくなるだろう。ダイバーシティに関しては、日本という枠組みを超えたアジアという枠組みをとらえ、日本人以外の従業員を差別することなく、昇進の機会を与えていくかということが重要な要素となるに違いない。