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あなたはトルシエ派? ジーコ派? オシム派?~サッカー日本代表監督からみるリーダーシップと組織の熟成との関係~

みなさん、こんにちは。石井です。今回ご紹介するテーマは「リーダーシップと組織」です。

企業が組織を運営する上で、トップのリーダーシップは非常に重要になってくることはご存知のとおりだと思われます。しかし、日々現場でコンサルティングをしている中で思うことは、各トップのリーダーシップが組織になじまず、空回りしている傾向があります。

なぜ、このようなリーダーシップの空回り現象が起きてしまうのでしょうか?

私は、その原因を「組織の状態の読み違い」と考えます。ここでいう組織の状態とは、
(1)業績が良い状態
(2)業績が悪い状態
(3)業績が悪化し始めている状態
の3つです。これらの組織の状態に応じてリーダーシップのあり方を変化させるべきところを、自分のマネジメントに固執して、本来の組織が発揮できるポテンシャルを無駄にしてしまっているケースを頻繁に見かけます。

では、これらの3つの組織の状態の際にどのようなリーダーシップを発揮すべきなのでしょうか? サッカー日本代表の監督であった、トルシエ、ジーコ、オシムの事例をとって考えてみましょう。
(1)業績が良い状態
⇒従業員を成長させるため、権限委譲を行う(ジーコ)

業績が良い状態の際には、組織にも余裕があり、次なる案件の獲得のために次々と仕掛けをしていく必要があります。また、人材育成においても様々な経験をつめる案件も存在するので、この際に権限委譲を行い、社員を成長させていくことが望ましいと思います。

ジーコ監督も圧倒的なカリスマの下、自由かつ創造的なサッカーを選手に求めます。したがって、選手には最低限の規律のみを要求し、選手のあり方、ピッチでどう行動するかは、選手間の自主性にまかせます。自主的に考えて行動する選手にとっては、とてもいい環境でありますが、一方で自主的に考えられない選手にとってはとても苦痛になり、行動が停止する傾向にあります。

(2)業績が悪い状態
⇒あるべき方向性を示し、目標に向かって組織を管理する(トルシエ)

業績が悪い状態の際には、社員のモチベーションは下がり、不平不満が絶えず好き勝手な事を行い、まとまりがない状態になっています。そこで、重要になってくるのが、管理型マネジャーです。ある一定の組織の目標を示し、ひとつひとつ目標達成のための行動を決め、確実にその行動を社員に実行させることが必要になってきます。しかし、これを続けてしまうと、社員の自立心がなくなり、ずっと管理が必要な組織になってしまいます。

トルシエ監督は、選手に対して完全なる規律を求めました。徹底的なトルシエ流のサッカー哲学に基づいて、場面場面に応じた対処を型にはめて繰り返し練習し、頭に刷り込ませる。この結果、型にはめられたチームプレーはできるようになるが、練習をしていない(想定していない)場面については、対処できない傾向がある。

(3)業績が悪化し始めている状態
⇒業績が悪くなる前に社員自ら問題を解決できる社員を育てる(オシム)

業績が悪化している状態の際には、現象として見られる問題はあまり見られません。しかし、悪化の傾向を止めるために、まだ完全に業績が悪くなっていないうちに組織を強化しておく必要があります。組織強化において一番重要なことは、どの状況に対しても現状を正確に把握し、自ら問題解決を行える社員を育てることです。

オシム監督は、現状を把握し、日本人選手にあったスタイルを提案します。それが、「考えて走るサッカー」。日本人選手は、敏捷性が他の外国の選手と較べると高いので、まず走らせます。

しかし、ただ走っただけでもゴールにはつながらないので、選手に徹底的に考えさせます。どうしたら、ゴールに直結する走りができるのか? 周囲を活かすためにはどのような走りをすればいいのか? 選手に徹底的に考えさせて自分なりの答えをださせます。このような手法をとることによって、除々に選手の自主性を育成することができます。そして自ら考える組織となります。
皆さんの組織はどの組織にあてはまりますか? そしてどのリーダーシップをとっているでしょうか?

一度、自分の組織、自分のリーダーシップを振り返ってみてはいかがでしょうか?

石井 利幸
株式会社船井総合研究所 チーフ経営コンサルタント
PDCAマネジメントの真髄を習得し、金融機関、メーカー、電機部品商社、石油商社、物流企業、等々、さまざまな業種で成果を上げており、特に「赤字部門の黒字化」が得意領域。 ワークショップスタイルで現状分析、原因究明、改善計画策定をきめ細かくサポートするコンサルティングスタイルは、幹部クラスから「具体的かつ実践的」という高い評価を得ている。「自ら考え自ら実行する」人づくり、組織づくりに邁進することで、今後も企業を新たな成長ステージへと導き続ける。