MENU
×

MENU

不況期にこそ長所伸展型のマネジメントを

今朝(09年3月5日)は、ニューヨークダウ平均が6600ドルを割るというニュースで目を覚まし、GMの会長やメリルリンチのブローカーが、本体が公的資金を注入されているという状況にもかかわらず、08年に驚くほどの巨額の報酬をもらっているというニュースに憤慨し、東京市場も日経平均がまたもやバブル後最安値を更新するかどうかという瀬戸際にある状況に辟易しながら、本レポートを書き始めたわけです。

つまり今、世の中は暗いニュースで溢れかえっており、毎日これでもかというぐらい、世界経済の不安定さを再確認させる情報ばかりが発信されています。

■ 不況期こそ長所伸展型のマネジメントが必要不可欠

最近、先に述べたような暗いニュースで溢れかえっているということもあり、コンサルティング先で、今回のテーマのようなお話をさせて頂く機会が多くなりました。

これの意味するところは、「暗い世の中だからこそ明るく乗り切る為に、ポジティブにいきましょう!」という根拠のない精神論を振りかざしたものではありません。もう少しマーケティング思考、つまりはお客様の心理的行動特性から抽出する結果に基づいています。いい方を変えるとすれば「景気低迷期には、短所是正型のマネジメントでは成果があがりにくい」ということです。

景気低迷期の消費は、多くの業界で全体的には下ぶれするため、全ての企業において需要(売上)が一律に減少しているように思われがちです。例えば、業界や市場全体の総売上が昨対で20%ダウンとなれば、全ての企業で一律に売上げが20%下がっていると考えてしまいます。

しかし事実は異なります。不況期は消費者の購買行動がより高度(慎重)に、厳しい目で企業・商品を選別するため「売れている企業、よい商品には、より消費が集まり、売れていない企業、ダメな商品からは、より消費が逃げる」という現象がおこるのです。

業界・市場全体で20%の売上減であったとしても、企業レベルでみれば昨対120%を達成している企業と、昨対-50%以上で業績が悪化している企業が存在しているということです。それらをあわせると20%減になるということで、マクロ視点と(業界や市場全体で見る)ミクロ視点(企業別で見る)で誤謬がおこるという、典型的なパターンの1つですね。

だとすれば、例えば自社の商品や営業マンのダメな点を改善し、そこを平均レベルに引き上げたとしても、不況期の消費は、別の更に高度なレベルの商品や営業マンに集中する可能性が高いということです。-100を改善してゼロにしても、+100のものに消費が集中するということです。
市場が今のような深刻な不況期にある時は、往々にしてネガティブな情報が溢れかえり、マイナス面ばかりが見えてしまいます。同様に一企業で見た場合も、業績が低迷している時には、自社のマイナス面・悪いところ(改善すべき面)ばかりが自然とクローズアップされてしまい、「短所是正型」のマネジメントに走らざるを得ないという現象が見受けられます。

しかしそれは誤った戦略であること、少なくとも効率的ではないという事が、今回最もお伝えしたかったテーマです。

だからこそ、今の時期は、「意識的に」、良い情報、伸びている点、長所を見つけ出そうと努力する必要があるといえるでしょう。

伸びているところを伸ばす、+100を更に伸ばして+200にする。このように、自社の商品・サービス、人などの、今伸びている点、長所、良い点を更に引き上げることができれば、業界内で突出したものとなり、不況期の消費を囲い込む事ができる可能性が増えると考えられるわけです。まさに長所伸展法です。

我々が今求められているコンサルティングスタイルも「短所是正型」ではなく「長所伸展型」であるということを、再度認識しながら、お客様の良い点、伸びている点を見つけていきたいと思います。

皆様も是非チャレンジしてみてください。
(この記事は2009年3月13日に初掲載されたものです。)