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高収益フォーラム10月例会のご案内

いつもメルマガをご覧いただきありがとうございます。
事業イノベーション支援部の吉田創です。

はじめに

ここ数十年で急速にテクノロジーが発展し、「これまで当たり前にあったビジネス」が淘汰・再編されつつあります。ネット通販やサブスクサービスが増えたり、家や車をシェアする若者層が現れたりなど時代は急速に変化し、そういった「成長・新興市場」と対比するように「成熟業界」でどう戦っていくのか、という声をよく耳にするようになりました。
人口減少や少子高齢化、時流・嗜好の変化などに伴って、10年後の成長イメージや優秀な人材の採用が難しくなっており、成熟業界=儲からないというイメージを持つ方も多くおられるのではないでしょうか?

成熟業界で成長するには業務プロセスのイノベーション(変革)が必須

しかし、世の多くの成功企業を見ていると、一見して魅力的でないビジネスも捉え方次第で変わる、ということに気づきます。テクノロジーが発展しさまざまな事業・サービスが広がっても、それはあくまでアプローチ手段が進化しただけであり、根源的な顧客ニーズ自体はさほど変わっていないのです。

つまり、柔軟な発想によって業務プロセスをイノベーション(変革)して、ビジネスモデルを磨き込むことが、高収益・持続的な企業成長にはとても重要であり、その視点に立ってビジョンを考える企業が結果的に強いということが言えます。振り返ってみて、貴社の成長ビジョンはいかがでしょうか?

超アナログなリフォーム業界で独自の成長を遂げる「交換できるくん」

成熟業界というと、自動車業界、小売業界、製造業界、建設業界…などが思い浮かぶかと思いますが、今回はそのひとつであるリフォーム業界における成長企業「交換できるくん」をご紹介できればと思います。
株式会社交換できるくんは、2020年12月にマザーズに上場を果たし、2021年3月期の決算では売上高・営業利益ともに過去最高を達成し、いまだ超アナログなリフォーム業界のなかで、独自のポジショニングとITを駆使した効率的なビジネスフローで成長を続けています。

独自のポジションと高収益ビジネスモデル

6.5兆円もの規模があるリフォーム市場は、大きく分けて「リフォーム領域」「住宅設備チェンジ領域」「リペア領域(水道修理等)」の3つに分類できます。過去には3領域全てを手掛けていた同社ですが、その中でもマーケットリーダーが不在かつ最大市場規模である「住宅設備チェンジ領域」に特化することで、独自のポジショニングを確立しました。
ここで、市場規模が大きいにも関わらずどうしてマーケットリーダーが不在だったのか、と疑問に思われることと思います。

それぞれの領域における1件当たり利益で考えたとき、
リフォーム領域は1件500-1000万円と高単価、リペア領域は低単価なもののスタッフ1名が短時間で完了する高利益率モデルなのに対し、住宅設備チェンジ領域は低単価な割に複数の職人が必要で、ニーズはあるものの薄利な市場だったのです。
そんな低単価マーケットでも確かな利益が出せる仕組みを構築していくために、同社はさまざまな打ち手を行ってきました。

まずは何と言っても、業務プロセスのイノベーションです。集客、営業、見積り、施工、支払、アフターサービスまでのプロセスの「営業」を短縮&効率化しました。通常であれば対面で営業メンバーが駆け引きしながら商談するプロセスを、ネット上でのコールセンター対応によるインサイドセールス型に変えました。そこでお客様の安心感を高めて、他社にはない独自のポジションを確立しました。徹底的なDXでネットのサービスを一気通貫化した結果、今では外勤の営業人員ゼロで100%自社サイトからの流入、コロナ禍の中でも過去最高益をたたき出しています。

また、もう一つ大きな要素と言えるのが、自社の多能工の養成です。
以前は、一つの設備の交換工事でも、フェーズごとに複数の職人が入れ替わり立ち代わりで工事をしていましたが、それでは人的コストの採算が合いません。交換できるくんでは、独自の育成プログラムにより短期間で職人を多能工化させ、優秀な職人1人で工事が完了できる体制にしています。この面でも、お客様の安心感を高める他社にはないポジショニングの確立に成功されています。

社員のためでなく、企業成長のために働き方を整える

更に、先ほど申し上げた「持続的成長」という視点でも同社は常に10年先を見据えた社内体制を構築しています。
職人の高齢化が叫ばれる近年で社員の平均年齢は約36歳、女性比率は約半数、希望者の育休取得&復帰率は100%という、リフォーム業界では驚異的な数値となっています。

一見、ブランディングや従業員の働きやすさのためだけなのでは、と思われるかもしれませんが、同社の代表取締役社長の栗原氏は、「あくまで会社のためにやっている」と仰っています。常に10年後を見据え、品質・顧客満足度を上げ続けるためには、従業員の高いモチベーションと良い人材の流入が不可欠という、逆算の思考で組織をマネジメントしているのです。

SDGsやESGを掲げても儲からないけどブランディングのために仕方なくやろう、というのは既に時代遅れ。むしろど真ん中に置くことで、10年後も成長を続ける持続的成長企業になりえると言えます。

高収益フォーラム10月例会のご案内


https://www.keieikikaku-shitsu.com/study_hp

吉田 創
マネージングディレクター
船井総合研究所に入社以来、様々な業種・規模のクライアントに対し、経営戦略/中経営計画の策定、ビジネスモデルの再構築、新規事業開発をサポートし、これまでの累計担当社数は300を超える。 その経験を活かし、持続的成長に向けた課題を見える化する「ビジネスモデル診断」の開発、高収益なビジネスモデル作りを目的とした経営者研究会「企業価値向上益経営フォーラム」を主宰している。