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【新常識】地方の中小企業も、今すぐ「ブランディング」に取り組むべき理由とは?

成長企業では、これがもはや常識

まず言葉の定義について、経営における”ブランディング“とは、様々な解釈がありますが、今回の連載では「企業のブランドイメージを高めていくための取り組み」と定義させていただきます。例えば、「企業のイメージアップを目的に、企業の経営ビジョンを伝えるためのCMを作ってTVで放送していく」や「企業イメージと合致するスポーツ選手をイメージキャラクターとしてキャスティングしていく」等は、昔からある、ブランディング代表的な打ち手の1つになります。
その他、一般的に認知されているブランディング施策としては、「自社の企業理念・ビジョンをまとめたブランドブックの発行」・「WEBサイトのデザイン刷新」・「外部向けの講演活動」・「外部企業とのタイアップによるイベント企画」等々、イメージアップに向けた取り組みのパターンは、多岐にわたります。

このようなブランディング施策をイメージした際、本稿をお読みの経営者様の中には
「ウチの会社にとってはまだあまり関係のないことだ」
「事業規模が100億円を超えるような規模になってから検討すべき施策でしょ?」
「そこに支出するお金よりも、人材採用費に回した方がいいよね」
というように考えている経営者様も多いかもしれません。

しかし断言できるのは「これからの時代、売上規模が2~3億円規模の中小企業においても、ブランディングを意識しなければ生き残れない」という事です。大げさではなく、今後2~3年の間でブランディングを軽視した会社は、“お客様”からも、“従業員”“求職者”からも選ばれず、経営に苦戦していくことが予想されます。そうした悲観的な未来が訪れないよう、今のうちからブランディングに対する正しい知識を身に着け、これから先も持続的に成長していける会社になるためのポイントを、全4回にわたって連載させていただきます。

連載第1回目では、「なぜ中小企業においても、ブランディングを意識していかなければならなくなったのか?」について、以下に理由を整理させていただきます。

理由①「高収益な会社」・「売上成長している会社」というイメージだけでは、人材が集まらない実態

※昭和~平成時代は、会社の業績さえ安定していれば、採用に大きく困ることはありませんでした。しかし人材不足の現在において、求職者は「より魅力的なオファーを提示してくれる会社」を比較の上、入社企業を選ぶことができます。その結果、「業績が好調なのは当たり前。その上で、私はこの会社に入ったらどんなメリットがるのか?」という視点で会社を選ぶようになりつつあります。

理由②「企業のブランドコンセプトが明確かどうか」が、若手優秀人材の会社選びの基準になりつつある

※「モノを作る会社」・「サービスを売る会社」といった企業に、今の若手人材は興味を示しません。その先にある「社会貢献性(例:モノの提供を通じて、環境問題の解決を担う)」や「自己実現性(例:ある領域で日本で一番のプライドを持ちながら働いていける)」までを明確に打ち出せている会社に、優秀人材層は集中しているのが現実です。

理由③ブランドイメージが低い会社は、30~40代の「これから会社を担う層」の離職が起こりやすい

※「入社してから5年程度働いたが、自分の仕事が社会にとってどのように貢献しているのか?自分のキャリア形成にどうつながっているのか?」といったように、自分の仕事に誇りを持つことができにくい会社では、中堅社員の離職リスクが高まります。では離職を検討している社員はどのような会社へ流れているのかというと「業績も安定していて、社会貢献性・自己実現性の高い会社」に流れているのが実態なのです。

まとめると、成熟化する日本においては、人材獲得競争は想像を超えるレベルで進行していきます。その結果、「労働条件(例:高い報酬)」と「労働環境(例:充実した福利厚生)」の2つを仮に満たしている高収益企業でさえ、優秀人材を採用していくことは困難な時代となっていくことが想定されます。
一方でブランディングにいち早く取り組んでいる会社様では、イメージアップに成功した結果、お客様からも、従業員からも、求職者からも選ばれる会社へとステップアップし、2桁成長を取り戻しているような成功事例も出始めています。(以下に、第2回のコラムで紹介させていただく内容の一部を掲載させていただきます)

上記図に見られるようにブランディングに成功している企業では、今まで紹介会社に払っていた人材採用費や集客のための販促コスト等の「単年度・使い捨て費用」を圧縮する代わりに、「複数年に渡り効果を発揮する費用」としてブランディング分野に積極投資しています。その結果「選ばれる会社」へと変貌を遂げているのです。

以上「中小企業様がブランディングに取り組むべき理由」として解説をさせていただきましたが、船井総研としては、「より多くの会社に、ブランディングの重要性に気付いていただきたい」、そして「選ばれる会社になってほしい」と、心より願っております。本稿が皆様の事業成長に向けた新たな気づき・ヒントとなれば幸いでございます。

なお次回の連載では「中小企業におけるブランディングの成功事例」を解説させていただきながら、最短で企業のイメージアップを実現していくためのポイントをお伝えさせていただきたいと思います。

吉田 創
マネージングディレクター
船井総合研究所に入社以来、様々な業種・規模のクライアントに対し、経営戦略/中経営計画の策定、ビジネスモデルの再構築、新規事業開発をサポートし、これまでの累計担当社数は300を超える。 その経験を活かし、持続的成長に向けた課題を見える化する「ビジネスモデル診断」の開発、高収益なビジネスモデル作りを目的とした経営者研究会「企業価値向上益経営フォーラム」を主宰している。