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【成功事例】中小企業がブランディングに成功すると、2桁成長を取り戻せる

今こそ“ブランディング”に投資すべき

ブランディングについて全4回にわたってお届けをしておりますが、
第1回の連載では「中小企業が今すぐブランディングに取り組むべき理由とは?」についてお届け致しました。
連載2回目の今回は、「ブランディングに成功した企業に起きたこと」について、事例を交えて解説させていただきます。

成功事例①:「パチンコ屋さん」から「総合レジャー企業」へ
(=笑顔を一番創れる企業へ)

●新規事業室を新たに立ち上げ、「パチンコの1本足経営」から「総合レジャー企業」になることを決断。
●10年かけて新たな事業を増やしていき、地域密着型で事業成長していくビジョンを策定し、外部へ発信。
●新規事業については、「笑顔を生み出す」という企業ブランドコンセプトを中核に定め、関連する事業案を抽出
●加えて、社員研修制度にも企業ブランドコンセプトのエッセンスを投入。
●新たな体制で推進をしていく中で、これまでは自社に集まってこなかったような「経営者人材」「新規事業の幹部候補」も集まるようになった。
●結果的にモチベーションの高い従業員が増え、組織全体のマインドが向上。
●現在では新規事業室も安定稼働し、毎年着実に売上を上げられる新たな事業の柱を確立するに至っている。

成功事例②:「温浴施設」から「地域活性化を担う総合プロデュース企業へ」
(=地域の新しい魅力を発見する)

●温浴施設の運営を請け負う会社から、「温浴施設以外も含めた総合プロデュース会社」へとコンセプトを強化。
●温浴・宿泊・レジャー施設・レストラン等、「地域のあらゆる空間を豊かにしていく」事業を実践。
●同時に、同社が掲げる理念浸透を習得するための教育制度の開発にも着手。
●インナーブランディング(社内向けのブランディング施策)と、アウターブランディング(社外向けのブランディング施策)を展開していった結果、日本全国から「空間をプロデュースしてほしい」という依頼が殺到。
●同時に同社における重要部門の1つであるデザイン・設計部門の採用力は年々高まっている。
●2030年には現状売上規模の2倍以上の規模になる目標を定め、順調に推移している状況。

以上、中小企業におけるブランディングの成功事例の一部を紹介させていただきましたが、
まとめていくと、ブランディングに成功し2桁成長を実現している企業では

「①:その会社の「長所」を見つけ、注力して磨き、新たな経営ビジョンを立てる(ビジョンを作り、発信)」
「②:優良顧客・優秀人材の両方から選ばれる会社へ変貌」
「③:既存社員のモチベーションは上がり、生産性が高まっていく」
「④:結果、マーケティングコスト(採用コスト・販促コスト等)やマネジメントコスト(人材育成費等)が下がっていく」
※選ばれる会社になると、集客コストが不要になってくるため。また、モチベーションの高い社員が増えると、人材育成や採用に掛けるコストも下がっていく
「⑤:加えて付加価値が上がり、客単価や・LTV(ライフタイムバリュー=顧客生涯価値)が上がっていく」
「⑥:①~⑤が作用して売上成長&コスト削減が起こり、2桁成長に繋がっていく」


といったように、経営ビジョンを起点に“善循環”が起きているのが特徴と言えます。

これらの企業はいずれも、従来は当たり前だった経営ビジョン・経営方針を刷新して、「新しい事業ビジョン」、「新しい経営アクションが盛り込まれた経営計画」、「これまでとは違った切り口での外部への情報発信」を行った結果、ブランディングに成功した企業となります。

特に触れておきたいのは、「イメージのよいプロモーション活動を行えば、ブランドイメージが上がっていく、というわけでは、全くない」という点です。多くの企業が間違えてしまうブランディングの落とし穴はここにあると言われるのですが、ブランディングの本質的なポイントは、上述した「その会社の「長所」を見つけ、注力して磨き、新たな経営ビジョンを立てる」という点になります。

 これこそが、ブランディングで成功していくための重要なポイントなのです。会社のお客様にとって、従業員の皆様にとって、求職者にとって、「惹きつけるだけのビジョンが備わっていること」がブランディング施策の起点であり、この起点を外した施策にお金を使ったとしても、何の効果も発揮しないと考えるべきでしょう。(500万円をかけてCMを作ったとしても、1,000万円をかけてオフィスデザインをお洒落にリニューアルしたとしても、前提の惹きつける“企業ビジョン”が無ければ、費用対効果は著しく低い、と捉えるべきです)

まとめますと、ブランディングの一歩目とは「自社の強み・長所が発揮できる新たな経営ビジョン」を立てることであり、そこを起点にしながら各種施策を展開していくことが、ブランディングを実現していくための「最短ルート」なのです。そこで次回連載3回目になる次回は、「ブランドイメージアップに繋がるような、魅力的な経営ビジョンをどうすれば組み立てられるのか?」について、解説させていただきます。

吉田 創
マネージングディレクター
船井総合研究所に入社以来、様々な業種・規模のクライアントに対し、経営戦略/中経営計画の策定、ビジネスモデルの再構築、新規事業開発をサポートし、これまでの累計担当社数は300を超える。 その経験を活かし、持続的成長に向けた課題を見える化する「ビジネスモデル診断」の開発、高収益なビジネスモデル作りを目的とした経営者研究会「企業価値向上益経営フォーラム」を主宰している。