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社員100名超えてもイノベーションが起こる会社の取り組み

ご存じの通り、国内は低成長時代が続いています。

私たちはそんな時流の中で、社員(50〜)100名以上規模で成長を続けている中堅企業の研究、ルール化を進めています。

社員(50〜)100名前後から成長が鈍化する企業もいらっしゃれば、逆にどんどんと成長を続けて、社員数200名、300名を超えて成長する企業もいらっしゃいます。その違いはいったい何なのか?

ここ1年弱で100を超える経営者ヒアリング、企業調査を重ねて調べて参りました。そして、その違いが明らかになってきました。

今回は、伸びる中堅企業は「しんどいけど、”楽しい”」状態の会社づくりについて触れさせていただきます。

「しんどくて、”辛い”」会社と「しんどいけど、”楽しい”」会社の違い

社員数が100名超えあたりから、伸びる会社と、頭打ちする会社に分かれてきます。

社員50名超えあたりまでは社長1人の牽引で何とかなりますが、100名超えあたりから自動車のハンドルが重くなるかの如く、思うようにいかなくなります。

ただ、市場のパイ自体が伸び続けている時代はそれでも200名、300名超えと伸びることもあったでしょうが、社員の心は「しんどくて、辛い」状態です。

しかもそれは、もう遠い昔の話です。国内は、1990年中ごろから30年近く低成長時代が続いています。

ところが、こんな低成長経済時代でもなぜか、伸びる中堅会社は、100名超え、300名超え、500名超え、1000名超えとカベ知らずで伸び続けます。

”伸び続ける”ということは、それなりの”成長痛”が発生し、しんどいことも少なからずある状態のはずです。ところがなぜか、そのような会社の社員の皆さんは「しんどいけど、”楽しい”」状態です。

このような会社の主な共通要因を3つに整理させていただきました。

①社長の”今(現在)”は”足元”ではなく、”5年先が今(現在)”と考えて絶えず、動いている

これは決して、足元を疎かにしている、というわけではありません。

社長が”5年先を今(現在)”と孝動していることで、社員(主に幹部)が足元、2〜3年先を一緒懸
命考えざるをえない(考えたい)状態を作っている。
 
もう少し固い表現を使いますと、社長が「事業戦略」ではなく、「全社戦略」に注力している状況を意図的に作っていらっしゃいます。

※「事業戦略」と「全社戦略」の違いについては、過去の本メルマガでご説明させていただきました。よろしければご一読くださいませ。

②確固とした「基盤事業」が存在し、会社全体をけん引している。

この「基盤事業」というのは、事業の”勝ちパターン”が確立されて、利益をしっかりと確保でき、着実に伸ばせる事業です。

例えば、全社全体で100億円の売上の会社であれば、この基盤事業が5〜7割を占めて、しっかり利益を出している状態です。

その利益を、”未来創造コスト”として、新しい事業、人材育成に投資をしているサイクルができています。

伸び続ける経営者は、複数(2つ目〜)事業を展開する前に、この”勝ちパターン”づくりに全力投球されています。
(ただし、ずっと、この基盤事業に執着することになりがちなことに注意が必要です。伸びる経営者は、手の離され方が絶妙です)

まずは上記2項目に触れさせていただきましたが、これだけでは、「しんどいけど、”楽しい”」状態の会社にはならないようです。

社員数100名、300名、500名超えと規模が拡大する中では、絶えず事業や組織にイノベーションを起し続けないといけませのん。それ相応の付加が社員にかかります(俗に言う「成長痛」と言われるものです)。

こうした成長痛が起こっても、それを「しんどくて辛い」になるか、「しんどくても”楽しい”」状態になるの分かれ道は、もう1つの要因にかかってくるようです。

「しんどくても、”楽しい”」状態の会社の”肝”は?

3つ目は、③「物心両面の幸せの追求」のバランスよく実現されていることです。

”物心両面の・・・”というのは、あの稲盛和夫さんのお言葉で大変有名になり、多くの会社でも使われているワードかと思います。
ただ、”物”の方は、給料、役職などで、どなたもイメージが浮かぶかと思いますが、その一方で”心”というのは意外と曖昧になりがちではないでしょうか?

よくこんなイメージを浮かばれませんか?
ボーナスをたくさん出したり、昇進で給料を上げたりしたときは,「社長、一生ついていきます!」的なことを言っていた社員が、いざ、会社の業績が厳しくなり、ボーナス・給料が十分に出せなくなったりした時には、コロッと態度が変わることを。

この状態はまさに”物”だけの追求をしてきたことになるかと思います。

では、”心”の幸せの追求、ということはいったい何か?ということになりますが、

現在の低成長時代でも、社員数300名超え、500名超え、1000名超えと伸び続けている会社の経営トップの多くの方は、「人の”心”の幸せは、その人自身の価値観に合った環境に自身の身を置けること、そして、活動できること」とお考えのようです。

どんなに給料をもらっても、物的なものが満たされても、その環境の価値観が自分に合わない場合、”心”の幸せ”は感じない、ということです。

そういう意味では、会社と社員の関係は、夫婦の関係と同じだと言われています。
そして、最近注目されている「エンゲージメント」もそうした文脈の中から生まれたと考えています。

社員1人1人が、自分と会社の価値観が合っているかどうかを感じるためには、まずは、会社側が自社はどんな”価値観”で日々活動し、事業展開する組織・チームであるか、をできるだけ明確に、分かりやすく表現することが最初に必要です。(当然、その内容が言葉だけの中身、実態の伴わないものにならないようにすることは前提となります。)

それがないと、社員は、自分の価値観との会社の価値観との答え合わせがとできず、”心”の満足度を感じよう、高まりようがありません。

だからこそ、心の満足度を重要視している経営者の方は、P(理念)、M(ミッション)、V(ビジョン)、V(バリュー)の分かりやすい明文化と、その浸透を重要事項として取り組まれているようです。

そして、“物”だけではなく“心”の満足度も併せて感じている社員がいる会社ほど、最近注目のワードである、「エンゲージメント」度や「心理的安全性」が高い組織になり、社員の自律心、創造性が高いイノベーションが起こる組織風土につながっていくようです。

以上、低成長時代でも持続的成長を続ける「しんどくても”楽しい」状態の会社の主な共通要因3つについて、触れさせていただきました。

社員100名超えてもイノベーションが起こる会社の取り組み

https://www.funaisoken.co.jp/seminar/084024

今回のメルマガで触れさせていただいた内容、PMVV(理念・ミッション・ビジョン・バリュー)やエンゲージメント向上をテーマとしたセミナーがございます。

船井総研では、上記の点を踏まえて、中堅企業向けに勉強会を開催しております。
今回のセミナーでは勉強会でご紹介してきた多くの事例企業の取り組みや勉強会で学ぶべきポイントをご紹介いたします。

ぜひご参加をご検討くださいませ。

【オンライン開催】
2022/3/14 (月) 10:00~12:00 @オンライン
2022/3/17 (木) 10:00~12:00 @オンライン
2022/3/23 (水) 10:00~12:00 @オンライン

南原繁
株式会社 船井総合研究所 価値向上支援本部アカウントパートナー室 上席コンサルタント ディレクター
1993年関西大学経済学部卒業後、㈱船井総合研究所入社。 入社後、流通小売業、飲食サービス業、製菓製パン業、地域遊休地開発、観光事業、企業CRE戦略、自動車販売業の幅広いフィールドを通じて、船井流マーケティングの基本ベースを習得する。 2000年より住宅リフォーム業を本格的に従事、2002年チームリーダー、2005年グループマネージャー、2010年上席コンサルタント認定、2014年住宅不動産部副部長、2017年リフォーム支援部部長。