国内経済はここ25〜30年間、低成長時代が続いていると言われています。
そんな中、低成長時代にも関わらず、小規模(社員数50名未満)だった状況から社員数100名超え、300名超えへと持続的成長を遂げている中堅企業の共通要因を日々調査、研究しています。
ここ1年弱で100を超える経営者ヒアリング、企業調査を重ね、調べて参りました。そして、その要因が明らかになってきました。低成長時代でも持続的成長を続ける中堅企業経営のポイントをお伝えさせていただきます
目次
経営トップが「事業戦略」ではなく「全社戦略」に専念している
1点目は経営トップが❶全社戦略に注力しています。
すでに社員数300名、500名超えの企業トップの方からすると自明のことだと思いますが、
❶全社戦略と❷事業戦略とは違います。
上記、図のように、❶全社戦略は複数(2つ目以上の)事業をどのようなバランスで最適に取り組むか、で❷事業戦略は1つの事業自体を他社とどう差別化、推進するか、です。
この2つは全く別の戦略となります。
経営者が意図的か(or無意識か)にしかるべきタイミングで事業戦略から全社戦略への注力シフトを起こされています。
中核(主力)事業が、”手を放して、目を離さず”の状況になっている
2点目は、自社全体の屋台骨である中核(主力)事業の事業戦略について、経営トップが「目を離さず、手が離れる」状況にしていることです。
よくあるのは「任せる人材がいないから、(中核事業から)手が離せない」という声があがりそうですが、その視点からはいつまで経っても事業戦略から手が放せません。
社員数100名超えから持続的成長する経営トップは、社員100名超える前の段階で、自身が「事業戦略」から「全社戦略」へ注力シフトすることを視野に入れて、中核事業の“勝ちパターン”構築に意図的に取り組んでいらっしゃいます。
この”勝ちパターン“を構築することで、任せる側(経営者)と、任せられる側(事業責任者)との間に「まだまだ自分が関わっていた方が良いが、思い切って任せよう」状況を意図的に作っています。
(この”勝ちパターン“づくりについては紙面の関係もありますので、詳細は控えまして別の機会で、と思います。)
「手段(事業、商品)」にこだわらずに「目的(理念、ミッション)」にコミットしている
「『手段』にこだわるとは変化対応に弱くなる」と言われます。持続成長を続ける中堅規模経営者は、自社の「手段(事業、商品)」にこだわらず、「目的(理念、ミッション)」にこだわる姿勢を強く持っている傾向があります。
自社の提供しているプロダクト(製品、商品・サービス)はどういう課題(コト)を解決、提供するためのものであって、そのプロダクト自体には意味がない。
自社プロダクトが解決するコト(それが自社ミッションにつながる)は何なのかに注力し、それを起点にビジョン、戦略を構想する視点を強く持たれています。