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社員100名超えると変革するべきこと

中堅・大手企業様向けメールマガジンvol.1
組織はトップ1人で99%決まる

社員30(~50)名までは社長の人的な魅力で社員(組織)を引っ張れますが、(50~)100名を超えると、「自社の将来ビジョン」を示すことで社員(組織)を引っ張れるかどうかが大きく問われ始めます。

企業経営には「組織の壁」(別名:「社員数の壁」)が存在します。
「30名の壁」、「50名の壁」、「100名の壁」、「300名の壁」、「1000名の壁」です。

同じ事業を同じ時期にスタートしたA社とB社。
A社は社員数30名前後で頭打ち、B社は社員数300名になる。
なぜ差が出るのか?何がどう違うのか?

規模の大きさが唯一の“善”とは思いませんが、複数の企業の実態を比較して、何が違うのかを考えるといろいろなことが分かってきます。

逆にたとえ、見た目の社員数が300名、1000名になった会社でも、一時的に見た目の業績は良く見えても中身はぐちゃぐちゃ(社員が疲れて、不平不満が溜まる状態)、そして、崩壊するところもあったりします。

量(数)的にも質的にも「壁」を超えるためには、経営トップの思考のギアチェンジが必要なります。

ある企業の例です。
社員「30名の壁」をなかなか超えないところがございます。
30名を超えそうになると、幹部社員が辞めてしまう。
そんなことが立て続けに起こりました。

社長としては目をかけて、期待した人間(幹部)が辞めていくのでショックです。

ただ、それは考えてみれば当たり前のことで、前向きな、優秀な社員ほど先のことを考え、将来の展望を明確に持ちたがります。

ところが、社長は30~50名までならば通用するマネジメントしかできていませんでした。
それは、飲みニケーション、プライベートでも一緒に過ごす時間を増やすなどを通してのコミュニケーション、自分の人間的な個性(魅力)で社員を惹き付けるマネジメントです。

社員30~50名超えあたりから、優秀な社員が「この会社には未来も感じ、自分も人間として成長できる。この会社でずっと頑張りたい!」という思いが持てて、自分自身キャリアがイメージできる会社でなければ辞めていく確率はどんどん高くなります。

経営トップ自らが、自分の会社は「5年後にはこうなる」「10年後にはこうしたい」という未来を具体的に描き、それが社員にしっかりと伝わっている状態をつくることが必要です。

それが、ビジョンの魅力で社員を惹き付けることになります。

また、この未来ビジョンというのは、数値、タスクばかりで占められる数値計画とは一線を画さなければなりません。

数値、タスク(期限)満載の計画だけでは社員に「やらされ感」「何のためにこれをやるの?」「社長のため?、会社のため?、だったら自分は何なの?」という感覚ばかりが先立ちます。

自社は何のために事業をするのか?
事業をする上での大切にしたい価値観は?
1つ1つの戦略にどういう意味(意義)があるのか?

これらをしっかり踏まえた5年後、10年後の未来構想をトップが真剣に考えて、まとめる。
そしてそれを社員に伝え、浸透させる働きかけがいかにできるかが問われます。

もちろん、(資料、プレゼン技術等で)見た目だけ恰好がいいビジョンではなく、「社長は本気でやろうと動いているな」とトップの本気度、実現性の高さを社員に感じさせるものでなければなりません。

会社の5年先、10年先を本気で考えられるのは経営トップしかいません。
そしてトップが未来に光を当てているからこそ、そこで頑張る社員(幹部)が目の前(1~3年先)のことを前向きに明るく取り組める状態になります。

「組織はトップ1人で99%決まる」弊社の創業者である船井幸雄が残した言葉ですが、まさにこの「組織の壁」を破るときにこれが問われます。

弊社は、「組織の壁」を突破したいとお考えの経営者様のサポート、また突破した事例企業の研究を日夜重ねております。

福岡県に大英産業様という企業がございます。

住宅、マンション販売事業、中古リフォーム事業等を展開される正社員数232名、パート含めて320名、売上高300億円の企業様です。

100名の壁を突破されて、300名を超えて、次の壁(「300名の壁」)の突破のチャレンジされ始めている企業様です。

以下に概要をご説明させていただきます。

(1)リーマン不況(2009年)時の売上65億円、経常▲3億円の苦境から、2020年には売上300億円、経常20億円に劇的成長。
(2)社員定着率が業界平均の2倍(※)、社員が成長し、働きやすい組織を実現。
(※)業界平均の離職率13.7%のところ、大英産業様は7.4%。
(3)2019年IPO(株式公開)実現※福岡証券取引所。
しかもこれはオーナー経営者の発案ではなく、社員(幹部メンバー)自らの一念発起で、オーナー経営者を説得して実現。
(4)新卒社員比率59%。新卒の育成文化を築き上げて会社好き、仲間好き社員を育成。
(5)女性社員比率51%(パート含む)で働き方の多様性を実現。

「組織の壁」を突破するということは、単なる業績だけを拡大をすればいいというものではありません。

そこに働く社員1人1人が、自分達の会社が好きで、仲間が好きで、「よし、この会社(仲間)のために頑張ろう!」と思えるかどうかの質的成長も必要不可欠です。

日本全国で400万社ある中、社員100名を超える企業はわずか1.2%、300名を超える企業は何と0.2%しかありません。

規模が大きくなることが唯一の“善“とは思いませんが、社員1人1人の事情、個性、能力を受け入れる多様性を受け入れる組織にするためにはある程度の規模感は必要です。

国内にそうした企業が1社でも多く誕生するために微力ながら、弊社も精進を重ねて参りたく存じます。

最後までお読みいただきまして誠にありがとうございます。
末筆となりましたが貴社のますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げます。

<執筆者>
株式会社 船井総合研究所 アカウントパートナー(AP)室部長
上席コンサルタント 南原 繁(なんばら しげる)

※「アカウントパートナー(AP)」とは、弊社が2020年度より新設した、
社員数300名超えの成長をサポートをするための中堅企業様対応の機能です。

南原繁
株式会社 船井総合研究所 価値向上支援本部アカウントパートナー室 上席コンサルタント ディレクター
1993年関西大学経済学部卒業後、㈱船井総合研究所入社。 入社後、流通小売業、飲食サービス業、製菓製パン業、地域遊休地開発、観光事業、企業CRE戦略、自動車販売業の幅広いフィールドを通じて、船井流マーケティングの基本ベースを習得する。 2000年より住宅リフォーム業を本格的に従事、2002年チームリーダー、2005年グループマネージャー、2010年上席コンサルタント認定、2014年住宅不動産部副部長、2017年リフォーム支援部部長。